約2割の関東地区出身者をさらに増加させることが目標

佐賀は、早稲田大学の創立者・大隈重信の故郷であり、この地に早稲田の系属校を設置したいというのが、地元の念願でした。2010年度、それが実現し、早稲田大学7校目の附属・系属校として誕生しました。
校舎は、唐津城の城内にあり、天守閣の真下に位置しています。近くに日本三大松原の虹の松原があり、松浦川の雄大な流れと唐津湾の輝く海を臨む、風光明媚な環境の中にあります。
現在、生徒の2割超が関東地区の出身者ですが、今後はその比率をさらにアップさせたいと考えています。というのも、遠隔地の学校に進学するということは、相応の覚悟を決めてきており、自立心の高い子どもが多いからです。それが九州の生徒たちにもいい刺激になっているのです。
また、初年度の帰国生入試では4教科を課しましたが、2011年度は算数・国語の2教科型に変更します。これは、帰国生を積極的に受け入れたいと考えているためで、多彩なバックボーンを持つ生徒が集うことによって、活性化を図っていきたいと考えています。
寮生活を通して自立心が育まれる

関東地区をはじめとして、遠隔地の出身者が多いことから、寮を設けており、現在、通学生40%、寮生60%の割合です。
寮は、大隈重信の幼名にちなんで「八太郎館」と名づけられ、学校まで徒歩10分の距離です。当然のことながら、寮生活には様々な制約があります。時には生徒同士が対立することもあるでしょう。けれども、多感なこの時期に、それを乗り越えることは貴重な経験になるに違いありません。
しかも、本校では、関東地区での説明会などにおいて、「入学の最終決断は子ども自身にさせてほしい」とお願いしています。そのため、入学し、寮生活を送っている子どもたちは、自分で決意したという自覚を持っており、自立心が強いのが特徴です。皆、元気で、むしろ保護者の方が「少しも電話をかけてこない」と語るケースが少なくありません。保護者にとっては寂しい面もあるでしょうが、それは子どもが成長していることの証でもあるのです。
医歯薬系・難関国立大学への進路にも対応

本校は「九州トップの進学校」をめざすことを旗印にしています。そのためには、早稲田大学への推薦枠は50%ですから、それ以外の生徒の進学実績を高めることが不可欠です。九州は圧倒的に医歯薬系・難関国立大学志向が高い土地柄であることから、それに対応した教育を強化。ハードなカリキュラムになっています。
具体的には、高校2年生までに、高校の全教育課程を終了し、高校3年次は難関国立大学の2次対策に集中します。難関国立大学の2次試験の問題は、相当な思考力が要求される難問ばかりです。それに耐えうる生徒を入学させるために、本校の入試問題は、暗記型の問題はなく、自分で考えさせる問題になっています。
また、東大、京大、医学部志望者に対しては、高校1年生の後半から、7時限以降に「特別補講」を実施するなど、特別指導を実施します。