WILLナビ:よみうりGENKI 次代を担う人材を育てる中高一貫校特集
女子中高一貫校の特色ある学びと進路指導
  1. 平和問題、環境問題など、世界へ目を向ける宗教の時間
  2. 結束を固めエネルギッシュに取り組む行事と部活
  3. 伝統ある語学教育、中3ではフランス語が必修
  4. 自分の力を生かす道を自分自身で選び取ってほしい
平和問題、環境問題など、世界へ目を向ける宗教の時間

 雙葉学園は修道会によって創設された学校です。教育理念のベースはカトリックの精神にあり、「徳においては純真に、義務においては堅実に」を校訓として、徳育・知育・体育の3つをバランス良く養う全人教育をめざしています。このうち徳育においては「3K」=「謙虚、寛容、感謝」を大切にしています。自分をしっかり見つめる謙虚な気持ちと、お互いに許し許される寛容な気持ちを持ち、自分が毎日生きていることを感謝する。それを養う意味でも週1時間の宗教の時間は大切です。宗教の時間は中1では聖書を読むことを中心にカトリックの精神を学びます。中2からは社会貢献について考えます。中3の広島への修学旅行を控え、平和についても学びます。ほかに環境問題、飢餓など、世界のさまざまな問題について考えていきます。たとえば「豊かに生きる」をテーマに、発展途上国の映像を見ながら、豊かに生きるにはどうしたらいいかを考えます。その人がその人らしく輝き、自分が持っている力を人のために尽くす人間になってほしいと思っています。

結束を固めエネルギッシュに取り組む行事と部活

 本校は1909(明治42)年に創立されました。当時はキリスト教を前面に出すと、文部省(現在の文部科学省)から認定されません。そこで「品位ある日本女性」を育てることを教育方針に掲げました。以来、品位ある女性を育てることが伝統的に受け継がれています。一方で生徒たちはとてもエネルギッシュです。平素のクラブ活動は非常に活発ですし、文化祭も高2の生徒が中心になって下級生を叱咤激励しながら一生懸命にやっています。球技大会や運動会ではとても燃えます。球技大会は3種目のクラス対抗で行い、全員が必ずどれか一つの種目に出場します。チームの結束は固く、昼休みなどは、校庭にボールが飛び交い、懸命に練習しています。運動会も同じです。けっしていい加減にはしません。これは大事なことです。運動が苦手な生徒もいますが、チームを組んだ以上は良い成績がとれるようにがんばる。それができる力を一人ひとりが持っていると思います。

伝統ある語学教育、中3ではフランス語が必修

 教科の学びで大切なのは中学時代の基礎固めです。宿題は多く、英語は単語テスト、数学は計算テストなど、特に中学の授業では頻繁に行っています。能力別クラスは設けていませんが、併設する小学校が英語教育を行っているため、中1の英語だけ、英語教育を受けた生徒と初めて学ぶ生徒を分けて授業を行っています。初めて英語を習う生徒は、通常の授業以外に放課後に1時間、補習があるので、10月ごろには追いつきます。がんばって追い越していく生徒もいます。
 高校では第一外国語として英語かフランス語を選択します。本校はフランスの修道会が母体なので、フランスの歴史や文化も勉強してほしいという意味でフランス語教育は伝統的に続けています。選択の準備として中3では週1.5時間、フランス語を全員必修で学びます。
 理科は中学では実験が多いのが特徴です。本校には物理、化学、生物、地学それぞれの実験室があり、教員以外に実験助手がいて、解剖用の魚やウシの目玉などを用意しています。レポート作成が多くて大変ですが、充実した実験ができ、生徒たちも喜んで実験をしています。
 生徒は1学年が180名で、1クラス45名の4クラス編成です。他校に比べて生徒数が少ないですが、その分、一人ひとりを大切にする教育ができます。つまずく生徒に対しては、教員が声を掛けて補習をしています。特に試験が近づく時期には熱心に指導している姿が見られます。

自分の力を生かす道を自分自身で選び取ってほしい

 本校には文系・理系別のクラスはなく、高校では豊富な選択科目を設けることで大学受験に対応しています。高2からは自分で科目を選択するので、高1の秋には進路を考えておく必要があります。そこでこの時期には、医師や弁護士、研究者など、社会で活躍する卒業生に話を聞く機会を設けています。産婦人科医の方が出産の話をしたり、外資系企業に勤める方が株式の話をしたりさまざまです。
 神様が与えてくださった力は人によって違います。それを見極め、どうすれば人のために生かせるか、それにはどこで何を学べばいいか、大学選びはそこからです。名の知れた大学でなくても、自分が学びたい分野では最先端の研究をしている、だからその大学に行きたい、そんな選び方をしてほしいと思います。実際、そのようにして海外の大学をめざす生徒もいます。大切なのは自分自身で選ぶことです。人に強制された道は責任を取るのが苦しいですが、自分で選んだ道なら責任は取れます。
 受験生の皆さんは勉強が忙しいと思いますが、学校のことやスポーツなど、受験勉強以外のこともたくさんしてほしいと思います。それから社会に目を向ける習慣をつけてください。ご家族で食事をしながら社会のことについて会話をする。それだけでも違います。ご家族の絆を大切に、ご夫婦が同じ価値観でお子さんを育てていただきたいと思います。

難関校が語る、私学の魅力 雙葉中学校・高等学校 校長 和田紀代子先生 女子学院中学校・高等学校 校長 鵜﨑創先生 桜蔭中学校・高等学校 校長 佐々木和枝先生