WILLナビ:よみうりGENKI 次代を担う人材を育てる中高一貫校特集
受験生へのメッセージ
  1. AI時代だからこそ 
    個性を伸ばし、自ら考える教育を
  2. 海外も含め多様な体験ができるかが 
    学校選びのポイント
  3. 失敗を責めるのではなく 
    子どもと共に失敗から学ぼう
AI時代だからこそ
個性を伸ばし、自ら考える教育を

 人工知能(AI)の進化、グローバル化、少子化など、社会の変革期に求められるのは、与えられた問いに答える力よりも、自分で問いを立てる力です。また、情報技術の進歩により、嗜好の類似性をもとに選択肢を自動でレコメンドすることもできるようになっていますが、みんなが同じ選択肢ばかりを選んでいたら、世の中から多様性が消えてしまいます。AI時代だからこそ、平均から外れることに価値があるのです。人と違う尖った部分、個性を大事にしてください。6年間切れ目なく成長できる中高一貫校は、そうした個性を育てるのに最適な環境だと思います。
 サピックス小学部でも、個性を生かし、自ら考える力を育む教育に取り組んでいます。そのために大切にしているのが「対話型の授業」です。講師が質問を投げ掛けると、子どもたちから多様な発言が飛び出す。どんな意見も肯定的に受け止め、主体的に考える姿勢を育むのです。また、学びの土台として大切にしているのが「読む力」です。読むことは国語に限らず、すべての教科の基礎だと考えています。

海外も含め多様な体験ができるかが
学校選びのポイント

 中高一貫校への入学を考える際、留学など、海外での活動の機会が多いかどうかも学校選びのポイントになるでしょう。インターネットで世界中からありとあらゆる情報が手に入る時代ですが、実際に現場の空気を吸う経験はとても貴重です。
 また、私立の伝統校の多くは独自の教育を大切にしています。すぐに役立たなくても、20~30年後にしみじみと思い出せるような「いい経験」ができるかどうかも選択の重要なポイントです。そんな学校を見極めるためにも、文化祭などの学校行事にぜひ足を運んでほしいと思います。偏差値だけではわからない学校との相性が見えてくるでしょう。

失敗を責めるのではなく
子どもと共に失敗から学ぼう

 中学受験を志す子どもたちに伝えたいのは、失敗を恐れないでほしいということ。長い目で見れば、失敗しないことより、失敗から学んで成長することのほうが大事です。失敗をきれいに消してしまうのではなく、間違いの痕跡を残したまま新しい答えを探してみてください。
 また、受験生を見守る保護者の方には、喜怒哀楽をあまり表に出さず、子どもの前では平常心でいてほしいと思います。悪いところを叱るより、いいところを褒めてあげてください。問い詰めるより気持ちに寄り添ってほしいのです。「悔しいね」と共感し、その後で足りない部分を埋める方法を一緒に考える。そんな姿勢で中学受験に臨んでいただければと思います。

SAPIX YOZEMI GROUP共同代表 髙宮敏郎氏

髙宮 敏郎(たかみや・としろう)
SAPIX YOZEMI GROUP共同代表。学校法人髙宮学園副理事長。慶應義塾大学経済学部卒業。三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)を経て、2000年に学校法人髙宮学園に入職。米国ペンシルベニア大学に留学し、教育博士号を取得。
これからの時代に求められる人材像─中高一貫校で育む力─ 聖光学院中学校・高等学校 校長 工藤 誠一 先生 女子学院中学校・高等学校 院長 鵜﨑 創 先生 早稲田実業学校 学校長 村上 公一 先生