WILLナビ:よみうりGENKI 次代を担う人材を育てる中高一貫校特集
女子中高一貫校の特色ある学びと進路指導
  1. 農業体験、平和学習など好奇心を刺激する学びの数々
  2. 正解のない問いから始まる密度の濃い授業
  3. 毎朝15分の礼拝はたくさんの出会いの場
  4. 社会を知り自己と向き合い、自分らしい進路を実現
農業体験、平和学習など好奇心を刺激する学びの数々

 本校が教育のなかで大切にしているのは好奇心を育てることです。学校行事や体験学習が多く、さまざまな体験をします。その際、事前にイメージして考えたことと、体験によって実際に知ったことのギャップが出ます。そのギャップをどう埋めていくかを考えることが、生徒たちの学びになります。
 中3の春に行う東北旅行では、農業体験をします。土に触れ、虫に驚きながら、経験したことのない農作業のお手伝いをし、食事も共にします。農家の方々から伺う話も知らないことばかりでしょう。すべてが、事前に思い描いていたものとは違う新鮮な体験になります。
 高1では平和教育の一環として広島に行きます。その事前準備として中3のときに戦争体験の聞き書きをします。このように行事一つ取っても“そのとき限り”ではありません。事前学習があり、事後のレポート作成があり、その後も講演を聞く機会などを通して知識を“上乗せ”して学びながら、自分なりの考えを深めていきます。被爆者の方に話を伺う際は、手作りのお土産を持参します。今年は家庭科の教員の指導で、絞り染めのハンカチを作って広島に持って行きました。その意味では行事がさまざまな教科と関連があり、それを生徒も教員も楽しんでいるのが本校らしいところです。

正解のない問いから始まる密度の濃い授業

 授業ではリベラルアーツを重視しています。基礎の部分をすべての分野について幅広く学ぶことを基本にしており、高2までは文系・理系を問わず、必修科目を中心に学びます。進路に応じた科目を選択するのは高3になってからです。本校は土曜日を授業日としていないので、1コマの密度は高くなります。科目によっては実験・実習が多く、そのレポート作成の時間も多いです。たとえば生物では、校内の桑の葉でカイコを育てて繭を取ったり、トウモロコシの粒の色を確認し、一粒一粒数えたりといったこともします。実験では理論どおりにならないことが多いですが、それを体験することも重要なのです。
 授業は伝統的にアクティブ・ラーニングを用いた進め方で、生徒たちは事前にテキストを学んで授業に臨むので、その内容について話し合うところから授業をスタートすることができます。教員からの問い掛けは正解のないものばかりです。当然、さまざまな答えが出てきます。しかし、違う意見を言うと恥ずかしいといった雰囲気はありません。どんな意見を言っても構いません。ただし理由付けはきちんとしなくてはなりません。感情のままに発言する意見は議論のなかでは採用されないからです。それを知ることで、生徒たちは議論につながる責任ある発言をしなくてはならないことを学んでいきます。

毎朝15分の礼拝はたくさんの出会いの場

 本校の一日は朝の礼拝から始まります。1870年の創立以来、本校ではキリスト教の精神を土台に愛と思いやりの心を備えた人間を育てることに力を注いでいます。特に毎朝の礼拝は人間の生き方、考え方を深く掘り下げられる貴重な場となっています。
 礼拝には講堂礼拝、学年礼拝、クラス礼拝があります。講堂礼拝では教員の話を聞くほか、外部から招いた講師の方による特別礼拝もあります。そのときは応答の礼拝といって、生徒たちが感想を書いて読み上げるかたちの礼拝を後日行います。教科書どおりの応答はありません。どこに共感したか、あるいは共感できなかったかなど、集中して聞いているので、一人ひとり異なる感想が出てきます。クラス礼拝では、生徒たちが自分の考えを、体験談を交えてクラスで話します。礼拝は単なるインプットの時間ではありません。聞きながら自分なりに頭をフル回転させて、自己と向き合っています。朝の15分、そこにはいろいろな出会いがあり、これを6年間積み上げていくのはとても大きな宝となります。

社会を知り自己と向き合い、自分らしい進路を実現

 本校は自由な校風で知られていますが、けっして放任ではありません。低学年のうちは勉強の仕方をきちんと身につけて、自分で応用していくことができるようにしなくてはなりません。そこは早い時期に十分に時間をかけて指導を行っています。
 進路指導で一貫して生徒に伝えているのは、自分がどんな能力を持ち、社会のどんな場所で用いられるのかを考えなさいということです。それを見つけ、そのために十分な力を養いなさいと。リベラルアーツと多様な体験学習を通して、社会を知り、自己と向き合うようにしているのもそのためです。進路はさまざまです。多様性があるのが本校の特色です。いろいろな生徒がいます。叱咤激励したほうがいい生徒もいれば、優しく話を聞いてあげるほうが伸びる生徒もいます。それぞれの個性を見極めて対応していく力が教員にはあります。
 受験生の皆さん、やりたいことがあるならあきらめないでください。夢を実現できたときの自分の将来をイメージして、想像力を持って入学してきてください。豊かな想像力があれば、ほかの人の思いに立って働くことができます。そういう想像力もつけてほしいと思います。

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