WILLナビ:よみうりGENKI 次代を担う人材を育てる中高一貫校特集
女子中高一貫校の特色ある学びと進路指導
  1. 相手を敬う気持ちを育てる礼法の授業
  2. まず王道をしっかり教える、そこから応用力がついていく
  3. 伝統ある山荘での合宿はすべてが経験、すべてが学び
  4. 素のままの自分を出して本音でつき合える環境
相手を敬う気持ちを育てる礼法の授業

 本校は1924年、東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)の同窓生たちが、教育で社会に恩返ししたいという使命に燃えて設立した学校です。「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」。本校の教育はこの校訓に凝縮されています。一言でいえば「礼と学び」の心を養う教育です。私も本校の卒業生で、道徳の時間に学校の歴史について話すときがあります。「昔の人が寄付を集めて、苦労してつくってくださった学校なのです」「あなたたちと同じ制服を私も着ました」などと話すと、生徒たちは興味深く聞いています。また本校には伝統的に礼法の授業があります。これは単に礼儀作法の形を学ぶ時間だと思われがちですが、相手の気持ちを考え、その人が不快な思いをしないように行動する、それが「礼の心」であり、その心を礼法の形を身につけながら学びます。ふだんの生活指導は厳しくありませんが、制服のある学校ですから、たとえば「制服にその髪型は合うかな」「式典で壇上に上がる際、スカートが短いとお辞儀をしたときにどうかな」といった形で指導します。すると生徒たちも納得します。

まず王道をしっかり教える、そこから応用力がついていく

 英語、数学など教科の授業は宿題が多く、小テストも頻繁に行います。予習も必要です。授業は答えさえ合えばいいというものではありません。考えながら聞いてノートに書き込むことが大切で、それが分かる教え方をしているので、生徒はノートの作り方も工夫するようになります。たとえば古文では、原文は必ず自分で書く。言葉の横に線を引いて品詞を書く。単語帳を作る。これは古文を学ぶ王道であり、最初にこれを身につけておけば学びやすくなります。教員はそのように、それぞれの教科について、学び方、考え方の基本をしっかり身につけさせたいと考えて指導しています。そうすることで、学んだことを応用できるようになるのです。外部の方をお招きした講演会などでは、生徒たちは私たちが想像もしないような、的を射たおもしろい質問をしています。それはふだんの授業で深いところまで掘り下げることで、学んだことや体験したことをつなげて考える力がついているからだと思います。
 主要教科だけでなく、芸術教育や体育教育も大切にしています。体育では武道に合気道を取り入れ、専門家の指導も受けています。5月から11月まですべての学年で週1回ペースで水泳の授業があります。中2の夏に行う特別水泳指導では、オリンピック候補選手に指導していただいたこともあります。そういう方たちがたくさん本校の教育に協力してくださっています。本物に触れてたくさんの刺激を受けてほしいと思います。

伝統ある山荘での合宿はすべてが経験、すべてが学び

 クラブ活動や文化祭などの行事、浅間山荘での合宿や修学旅行など、生徒たちにはさまざまな自主的活躍の場があります。桜蔭学園の浅間山荘では伝統的に高1と中1がクラスごとの合宿を行っています。事前に浅間の歴史、地形、植物などについて学んでから出掛けます。浅間の自然については映像を見ながらレクチャーを受け、たとえば山荘の庭にある月見草がどんな開き方をするかを見てくることが課題になると、現地で生徒たちは夕方から、つぼみの前に立ってじっと見ています。開くとそれはもう感動します。山荘ではキャンプファイヤーをしますが、トーチの作り方、誓いの言葉の述べ方、フォークダンスなども事前に習います。山荘では配膳からトイレ掃除までほとんど自分たちでします。うまくいかないこともありますが、すべてが経験であり、すべてが学びなのです。
 クラブ活動は必修です。遠くから通ってくる生徒も多いので下校時刻は5時です。活動時間は短いですが、それでも運動部も文化部もすばらしい成果を残しています。それは、生徒たちが自分たちで上手に時間の使い方を考えているからだと思います。勉強時間の確保も同じで、入学して少したつと、手帳を使ってしっかり自己管理ができるようになります。

素のままの自分を出して本音でつき合える環境

 卒業後は、医学部志望が多いこともあって、毎年約6割が理系に進みますが、学校として勧めているということはありません。もちろん文系志望者も多く、東京藝術大学など芸術系の大学に進む生徒もいます。進路を考える参考に、毎年、高1の生徒を対象に卒業生を招いて話を聞く機会を設けています。卒業生たちが中高時代のことや仕事のことなどを書いてまとめた冊子があり、中3でそれを読んでいるので、その中から何人かを招いて話を聞くようにしています。進路は個人の希望が第一です。はっきり決まっていれば、卒業生を紹介することもあります。卒業生のネットワークは広く、これが本校の大きな財産です。
 私は入学してきた中学生たちにいつも、「みんな違って、みんないいのですよ」という話をします。本校は素のままの自分が出せる学校です。実際、小学校のころはあまり自分を出せずにいた生徒が、ここでは「何でも平気で言っていいということがわかった」と、生き生きと楽しそうに過ごしています。本音でつき合える素晴らしい仲間と切磋琢磨できる環境があります。学校についてよく知り、自分にとって合う学校だと思えたらぜひ受験してください。お待ちしております。

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