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図1のように,円周上に赤玉,青玉,白玉の3個を置き,それぞれの玉に1以上の整数を1つずつ書き入れます。
次に,以下の操作を行います。
操作:隣り合う2個の玉の間すべてに,緑玉を置き,それらの玉に隣り合う2個の玉に書かれた数の和を書く。
例えば,赤玉に1,青玉に2,白玉に3を書き,この操作を1回行うと,図2のようになり,6個のすべての玉に書かれた数の和は18になります。
この操作を繰り返し続けていきます。
次の各問いに答えなさい。
(1)赤玉に1,青玉に3,白玉に5を書き,この操作を2回行ったとき,12個のすべての玉に書かれた数の和はいくつですか。
(2)赤玉に1,青玉に3,白玉に5を書き,この操作を3回行ったとき,24個のすべての玉に書かれた数の和はいくつですか。
(3)赤玉に1,青玉に1を書き,この操作を4回行ったとき,すべての玉に書かれた数の和は1620でした。このとき,白玉に書いた数はいくつですか。
(4)この操作を1回以上行い,すべての玉に書かれた数の和が36になるように赤玉,青玉,白玉の3個に整数を書きます。この3個の玉の整数の書き方は全部で何通りですか。
(1) 実際に作業すると次のようになります。
図4の12個の数を合計して,81です。
(2) はじめの和は9,図3の和は27ですから,次々と3倍になっていることが読み取れます。このことは,ある玉に書かれた数が,次の状態では3回足される(もとの玉と,両隣に新しく追加された玉)ことからも分かります。
よって,図4に操作をもう1回行ったときの和は,81×3=243と求まります。
(3) 操作を4回行ったので,和ははじめの状態の3×3×3×3=81(倍)になっています。はじめの和は1620÷81=20ですから,白玉に書いた数は,20−(1+1)=18
(4) 36÷3=12,12÷3=4で4は3で割り切れません。よって,次の2パターンです。
(ア) はじめの和は12で1回操作を行った
(イ) はじめの和は4で2回操作を行った
(ア)のとき,右図のように○を12個並べ,間(両端は除く)の11か所から異なる2か所を選んで仕切りを入れます。3つの部分の○の個数を赤玉,青玉,白玉に書く整数にします。仕切りの入れ方を考えて,11×10÷2=55(通り)
(イ)のとき,(1,1,2),(1,2,1),(2,1,1)の3通りです。
以上から,55+3=58(通り)
中学への算数
東京出版刊行
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●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
高校課程では習熟度別授業やコース分けが導入されていますので、問題を解ける喜びや数学の楽しさを味わえる環境が整っています。授業ではただ板書をノートに写すのではなく、自分で考えて正解を導く努力をして下さい。そうすれば大学生や社会人になったとき、数学を1つの手段として用いることができるようになり、更には数学そのものの魅力に気づくはずです。