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東京出版「中学への算数」編集長注目!難関私立中高一貫校 “算数”この過去問をチェック!

―高く・大きく・豊かに・深く―
高輪 中学高等学校
高輪中学高等学校
2022年度入試問題算数「中学への算数」編集長がこの過去問をチェック!
 問題  C日程  3 

 図1のように,円周上に赤玉,青玉,白玉の3個を置き,それぞれの玉に1以上の整数を1つずつ書き入れます。
 次に,以下の操作を行います。

操作:(とな)り合う2個の玉の間すべてに,緑玉を置き,それらの玉に隣り合う2個の玉に書かれた数の和を書く。

 例えば,赤玉に1,青玉に2,白玉に3を書き,この操作を1回行うと,図2のようになり,6個のすべての玉に書かれた数の和は18になります。

 この操作を()り返し続けていきます。

 次の各問いに答えなさい。

(1)赤玉に1,青玉に3,白玉に5を書き,この操作を2回行ったとき,12個のすべての玉に書かれた数の和はいくつですか。

(2)赤玉に1,青玉に3,白玉に5を書き,この操作を3回行ったとき,24個のすべての玉に書かれた数の和はいくつですか。

(3)赤玉に1,青玉に1を書き,この操作を4回行ったとき,すべての玉に書かれた数の和は1620でした。このとき,白玉に書いた数はいくつですか。

(4)この操作を1回以上行い,すべての玉に書かれた数の和が36になるように赤玉,青玉,白玉の3個に整数を書きます。この3個の玉の整数の書き方は全部で何通りですか。

解法のポイント
前半の設問で作業をして規則性を見出し,それを後半の設問に応用していきます。操作の回数が明かされていない(4)にも取り組んでみましょう。
解答・解説

(1) 実際に作業すると次のようになります。
 図4の12個の数を合計して,81です。

(2) はじめの和は9,図3の和は27ですから,次々と3倍になっていることが読み取れます。このことは,ある玉に書かれた数が,次の状態では3回足される(もとの玉と,両(どなり)に新しく追加された玉)ことからも分かります。
 よって,図4に操作をもう1回行ったときの和は,81×3=243と求まります。

(3) 操作を4回行ったので,和ははじめの状態の3×3×3×3=81(倍)になっています。はじめの和は1620÷81=20ですから,白玉に書いた数は,20−(1+1)=18

(4) 36÷3=12,12÷3=4で4は3で割り切れません。よって,次の2パターンです。
 (ア) はじめの和は12で1回操作を行った
 (イ) はじめの和は4で2回操作を行った
 (ア)のとき,右図のように○を12個並べ,間(両(はし)(のぞ)く)の11か所から異なる2か所を選んで仕切りを入れます。3つの部分の○の個数を赤玉,青玉,白玉に書く整数にします。仕切りの入れ方を考えて,11×10÷2=55(通り)
 (イ)のとき,(1,1,2),(1,2,1),(2,1,1)の3通りです。
  以上から,55+3=58通り

数学科主任 射手 基 先生のコメント
数学そのものの魅力に気づかされます
 数学は文系・理系に関係なく、理論的に考える・証明するという、実社会で役立つ能力を育む教科です。算数とは異なり、答えにたどり着く過程の方が重視されます。
 高校課程では習熟度別授業やコース分けが導入されていますので、問題を解ける喜びや数学の楽しさを味わえる環境が整っています。授業ではただ板書をノートに写すのではなく、自分で考えて正解を導く努力をして下さい。そうすれば大学生や社会人になったとき、数学を1つの手段として用いることができるようになり、更には数学そのものの魅力に気づくはずです。

『中学への算数』編集長注目の過去問

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中学への算数

東京出版刊行

解き方のイメージを育て、思考力を鍛える!

●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。