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右の図のように,1辺が2cmの正方形の頂点に点Aがあります。
また,袋の中に,ア,イ,ウと書かれたカードが1枚ずつ合計3枚入っています。袋の中からカードを1枚引いて,引いたカードによって次のルールに従い,この正方形を動かします。
《ルール》
ア…正方形を,向きを変えずまっすぐ上方向に2cm動かす
イ…正方形を,向きを変えずまっすぐ右方向に2cm動かす
ウ…正方形を,点Aを中心にして時計回りに90°回転させる
一度引いたカードは袋の中に戻します。これを何回か繰り返して,上のルールに従い正方形を動かし,正方形の通ったあとの図形の面積を考えます。例えば,カードを1回引いてアを引いたとき,正方形の通ったあとの図形の面積は8cm2です。
ただし,この正方形の対角線の長さをcmとするとき,×=8となります。円周率を3.14として,次の問いに答えなさい。
(1)カードを2回引きます。順に次のカードを引いたとき,正方形の通ったあとの図形の面積はそれぞれ何cm2ですか。
@ ア→イ A ウ→ウ B ウ→ア
(2)カードを3回引きます。順にウ→イ→アのカードを引いたとき,正方形の通ったあとの図形の面積は何cm2ですか。
(3)カードを3回引きます。正方形の通ったあとの図形の面積が16cm2になるとき,カードの引き方は全部で何通りありますか。
(4)カードを3回引きます。正方形の通ったあとの図形の面積が17.14cm2になるとき,カードの引き方は全部で4通りあります。順に何のカードを引きますか。すべて答えなさい。
(5)カードを3回引きます。正方形の通ったあとの図形の面積が15.42cm2になるとき,順に何のカードを引きますか。
(1) それぞれ図のようになります。
@ 正方形の面積は2×2=4(cm2)なので, 4×3=12(cm2)
A ××3.14÷2+4
=4×3.14+4=16.56(cm2)
B 図の☆の面積は
8×3.14×$\dfrac{\text{45}\,\,}{\text{360}\,\,}$−4÷2=1.14(cm2)
です。よって,
4×3+1.14=13.14(cm2)
(2) 次の図のようになります。
正方形4個と☆2個なので,
4×4+1.14×2=18.28(cm2)
(3) アとイだけをくり返すとき,はじめ・1回後・2回後・最後の正方形は異なる位置にあり,おうぎ形も出てきません。面積は必ず4×4=16(cm2)になります。
面積が16cm2になるのはこの場合だけで,2×2×2=8(通り)
(4) 17.14=4×4+1.14なので,4か所の正方形に☆が1個加わる場合だと考えられます。
上の図の実線はウ→アと移動した場合で,正方形が3個と☆が1個あります。この前後にアまたはイ(図の点線の正方形)をつけ加えた4通りが条件に合います。
(5) 15.42は16より小さいので,はじめ・1回後・2回後・最後の正方形のうち同じ位置に来るものがなければなりません。1回目のウでは正方形は右に動くので,重なるためにはウが2回以上なければならないことになります。
そのような動き方を調べます。(1)Aから,ウが2回続くとそれだけで16.56cm2となり大きすぎます。
よって,候補はウ→ア→ウ,ウ→イ→ウに限られます。調べると,ウ→ア→ウのときに,図のように正方形3個と☆3個となり
4×3+1.14×3=15.42(cm2)
で条件に合います(図中の・はAの位置を表します)。
中学への算数
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●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
中学では基礎的な計算力を身に付けられるように、計算力診断テストを繰り返し実施し、図形の証明などで発想力・表現力を磨いています。中3からは高校の内容を先取りし、各単元を通じて思考力も養っていきます。
様々な角度から条件を眺め、上手に組み合わせることによって問題を解きほぐしていく。数学の問題を解きながら、論理的思考を身に付けて欲しいと考えています。