WILLナビ(ウィルナビ)─首都圏中学受験・塾・入試・学習情報サイト

受験ファミリーのための進学情報サイトWILLナビ首都圏中学受験・塾・学習情報

中学校情報

塾情報

ワイワイcafe

メンバー登録

協力/朝日小学生新聞・プレジデントFamily・東京出版・森上教育研究所・安田教育研究所・ワイワイネット、

東京出版「中学への算数」編集長注目!難関私立中高一貫校 “算数”この過去問をチェック!

「きちんと青春」で、生き抜く力を
国学院大学久我山 中学高等学校
国学院大学久我山中学高等学校
2022年度入試問題算数「中学への算数」編集長がこの過去問をチェック!
 問題  ST第1回 【3】

 右の図のように,1辺が2cmの正方形の頂点に点Aがあります。
 また,(ふくろ)の中に,と書かれたカードが1枚ずつ合計3枚入っています。袋の中からカードを1枚引いて,引いたカードによって次のルールに(したが)い,この正方形を動かします。

《ルール》

…正方形を,向きを変えずまっすぐ上方向に2cm動かす

…正方形を,向きを変えずまっすぐ右方向に2cm動かす

…正方形を,点Aを中心にして時計回りに90°回転させる

 一度引いたカードは袋の中に(もど)します。これを何回か()り返して,上のルールに従い正方形を動かし,正方形の通ったあとの図形の面積を考えます。例えば,カードを1回引いてを引いたとき,正方形の通ったあとの図形の面積は8cm2です。
 ただし,この正方形の対角線の長さをcmとするとき,×=8となります。円周率を3.14として,次の問いに答えなさい。

(1)カードを2回引きます。順に次のカードを引いたとき,正方形の通ったあとの図形の面積はそれぞれ何cm2ですか。
@   A   B 

(2)カードを3回引きます。順にのカードを引いたとき,正方形の通ったあとの図形の面積は何cm2ですか。

(3)カードを3回引きます。正方形の通ったあとの図形の面積が16cm2になるとき,カードの引き方は全部で何通りありますか。

(4)カードを3回引きます。正方形の通ったあとの図形の面積が17.14cm2になるとき,カードの引き方は全部で4通りあります。順に何のカードを引きますか。すべて答えなさい。

(5)カードを3回引きます。正方形の通ったあとの図形の面積が15.42cm2になるとき,順に何のカードを引きますか。

解法のポイント
平面図形と場合の数(書き出し)の融合問題です。設問の流れに沿って少しずつ解き明かしていきましょう。最後の(5)は意外な結果かもしれません。
解答・解説

(1) それぞれ図のようになります。

@ 正方形の面積は2×2=4(cm2)なので, 4×3=12cm2
A ××3.14÷2+4
 =4×3.14+4=16.56cm2
B 図の☆の面積は
  8×3.14×$\dfrac{\text{45}\,\,}{\text{360}\,\,}$−4÷2=1.14(cm2
です。よって,
  4×3+1.14=13.14cm2

(2) 次の図のようになります。

 正方形4個と☆2個なので,
  4×4+1.14×2=18.28(cm2

(3) だけをくり返すとき,はじめ・1回後・2回後・最後の正方形は異なる位置にあり,おうぎ形も出てきません。面積は必ず4×4=16(cm2)になります。
 面積が16cm2になるのはこの場合だけで,2×2×2=8通り

(4) 17.14=4×4+1.14なので,4か所の正方形に☆が1個加わる場合だと考えられます。

 上の図の実線はと移動した場合で,正方形が3個と☆が1個あります。この前後にまたは(図の点線の正方形)をつけ加えた4通りが条件に合います。

(5) 15.42は16より小さいので,はじめ・1回後・2回後・最後の正方形のうち同じ位置に来るものがなければなりません。1回目のでは正方形は右に動くので,重なるためにはが2回以上なければならないことになります。
 そのような動き方を調べます。(1)Aから,が2回続くとそれだけで16.56cm2となり大きすぎます。
 よって,候補はに限られます。調べると,のときに,図のように正方形3個と☆3個となり
  4×3+1.14×3=15.42(cm2
で条件に合います(図中の・はAの位置を表します)。

数学科主任 龍見 洋子 先生のコメント
自ら表現する力、問題解決能力の育成を目標とする
 本校では計算力と思考力を育むことを目標にして、成長段階に応じた取り組みを行っています。
 中学では基礎的な計算力を身に付けられるように、計算力診断テストを繰り返し実施し、図形の証明などで発想力・表現力を磨いています。中3からは高校の内容を先取りし、各単元を通じて思考力も養っていきます。
 様々な角度から条件を眺め、上手に組み合わせることによって問題を解きほぐしていく。数学の問題を解きながら、論理的思考を身に付けて欲しいと考えています。

『中学への算数』編集長注目の過去問

arrowトップページへ戻る

中学への算数

東京出版刊行

解き方のイメージを育て、思考力を鍛える!

●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。