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K鉄道のある区間には2つのトンネルA,Bがあり,A,Bの順に列車が一定の速さで通過します。次の問いに答えなさい。
(1)長さが160mの列車が2つのトンネルを通過します。グラフは列車の先頭がトンネルAに入る時を0秒として,時間とトンネルの中にある列車の長さの関係を表しています。トンネルBの長さは何mですか。
(2)長さが200mの列車が時速72kmで2つのトンネルを通過します。時間とトンネルの中にある列車の長さの関係を表すグラフをかきなさい。ただし,グラフは列車の先頭がトンネルAに入る時を0秒として,最後尾がトンネルBを出る時までとします。
「トンネルの中にある列車の長さ」をXと表して説明します。
(1) X=160mのとき,列車全体がトンネルに入っていると言えます。
はじめX=160mになってすぐXが減り始めることから,列車がトンネルAに入り終えるのと,トンネルAから出始めるのが同時であると分かります。トンネルAの長さは列車の長さと等しく160mです。また,列車の速さは
160÷10=16(m/秒)
列車がトンネルから出始めると,
X=80mまでXの値が減っていくことから,トンネルAとBが80m離れていると分かります。列車がトンネルBに入り始めるのは
10+80÷16=15(秒後)
Xが再び160mになって減り始めることから,列車がトンネルBを出始めるのは30秒後です。よって,トンネルBの長さは
16×(30−15)=240(m)
(2) 列車の速さは72km/時=20m/秒
Xの変化は,
0〜8秒後;0m → 160m
8〜10秒後;160mのまま
10〜12秒後;160m
→ (200−80=)120m
12〜18秒後;120mのまま
18〜22秒後;120m → 200m
22〜24秒後;200mのまま
24〜34秒後;200m → 0m
以上をグラフにして,答えは下のようになります。
中学への算数
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●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
できた問題についてはそれだけで満足せず、できなかった友達が「なるほど」と納得する説明を君ができるかどうかを自問自答してください。
できない問題があっても嘆きは無用です。中学入試の算数の出題の背景には、多くの先人たちの英知が結集しているのです。「なるほど、それならできないこともあるな」とリラックスして、先人に敬意を表しつつ“名画を鑑賞”する気分で、その筆遣いを少しでも取り入れられるかを楽しみながら検討することが君の財産となるでしょう。
海城は“好奇心と粘り”をもった皆さんに応える数学を展開します。君の入学を待っています。