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T地点を頂上とする五角すいの形をした山があります。図のように,五角すいの辺はすべて道になっていて,山の高さの3分の1,3分の2の高さにも五角形の道があります。A地点とB地点の間には展望台が,C地点とD地点の間には茶屋があります。S地点から出発していずれかの道を通ってT地点まで行きます。ただし,同じ地点,同じ道は通らず,上から下には進まないものとします。
にあてはまる数を求めなさい。ただし,同じ記号の欄には同じ数が入ります。
(1)AB間の展望台を必ず通ることにすると,
SからAまでの行き方はア通り,
BからTまでの行き方はイ通りなので,
SからTまで展望台を通って行く行き方はア×イ通りあります。
(2)CD間の茶屋を必ず通ることにすると,
SからCまでの行き方はウ通り,
DからTまでの行き方はイ通りなので,
SからTまで茶屋を通って行く行き方はウ×イ通りあります。
(3)SからTまでの行き方はエ通りあります。
真上から見た図で,次のように頂点に名前をつけます。
(1)地上から3分の1の高さまで上がるときに使う道は,
S→A,E→I,F→J,G→C,H→K……@
のどれかです。
S→Aを使うときは1通りです。E→Iを使うときは,S→EとI→Aが(どちら向きに回るかで)2通りずつあるので,
2×1×2=4(通り)
です。F→J,G→C,H→Kも同様で,
1+4×4=17(通り)……ア
3分の2の高さから頂上まで上がるときに使う道は,B→T,L→T,M→T,D→T,N→Tのどれかです。B→Tのときは1通りです。他は,どちら向きに回るかで2通りずつです。よって,
1+2×4=9(通り)……イ
(2)@のうち,S→A,G→Cの道を使う場合は2通りずつです。それ以外の道を使う場合は,2×1×2=4(通り)ずつです。よって,
2×2+4×3=16(通り)……ウ
(3)3分の1の高さから3分の2の高さまで上がるときに使う道は,A→B,I→L,J→M,C→D,K→Nのどれかです。
A→Bの道を使って頂上まで上がるとき,(1)より
ア×イ=17×9=153(通り)
C→Dの道を使って頂上まで上がるとき,(2)より
ウ×イ=16×9=144(通り)
I→L,J→M,K→Nの道を使って頂上まで上がるときも,C→Dのときと同じなので144通りずつです。
したがって,求める答えは,
153+144×4=153+576=729(通り)……エ
中学への算数
東京出版刊行
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●編集方針●
最近の中学入試では、型にこだわらない新傾向問題が増えています。 これらは、ためしたり、かぞえたり、整理したり、場合を分けたり、 規則性を発見したり、グラフを書いたり、図形を動かしたり、 立体をいろいろとりあつかったり、というように、 単なる反復練習では解くことのできない、 数学的な発想力や思考力を要求される問題です。 それに応える力を育てることが本誌の最大の目標です。同時に、受験を離れたところでも、算数のおもしろさ、 楽しさを伝えていきます。
できた問題についてはそれだけで満足せず、できなかった友達が「なるほど」と納得する説明を君ができるかどうかを自問自答してください。
できない問題があっても嘆きは無用です。中学入試の算数の出題の背景には、多くの先人たちの英知が結集しているのです。「なるほど、それならできないこともあるな」とリラックスして、先人に敬意を表しつつ“名画を鑑賞”する気分で、その筆遣いを少しでも取り入れられるかを楽しみながら検討することが君の財産となるでしょう。
海城は“好奇心と粘り”をもった皆さんに応える数学を展開します。君の入学を待っています。