私立中学校のエリア特性
井上 県ごとに、私立中学校の特性には違いがあるのでしょうか。
森上 けっこう違いがありますよ。たとえば、千葉の私立中学校は学費が安い点が魅力です。ただし、渋谷幕張のようなトップ校に次ぐ、いわゆる中堅上位校の層が薄い状況にあります。ほとんどが共学校であることも特色です。
井上 埼玉の私立中学校は、グレード制、つまり特進コース的なものを設置するところが目立っていますね。
森上 進学指導の強化に力が注がれている印象があります。まだ東大合格者などで突出した実績を示す学校はありませんが、逆にいうと、多くの学校が頭1つ抜け出すために、しのぎを削っている状況で、競争的環境にあると言っていいでしょう。
井上 東京・神奈川では、ここ数年、共学化が進行しています。
森上 とはいえ、全体的に見ると、まだ男子校、女子校の体制をとるところが多い。また、宗教をバックボーンとする
学校も多く、いわば伝統的な私立校のスタイルが堅持されていると言えます。その分、学校ごとのスクールカラーが明確です。利害関係のない中高時代に、一緒に過ごすわけですから、とてもピュアなコミュニティが形成され、卒業後も長く続く人間関係が醸成されます。卒業生を見れば、どんな人物像に育つ学校なのかは、比較的よく分かりますから、それが自分の子どもにあうタイプなのか、事前に調べておくのもいいでしょう。
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