企画・制作:(株)広真アド

安田先生注目!2015年度中学入試

 

Column.
「入試問題解説会」は行かせたほうがいい?

安田教育研究所 代表安田 理

実際の教室に慣れておくことは安心感につながる

 11月くらいから「入試問題解説会」「入試問題研究会」といった名称で、「過去問」を使って本番に慣れるイベントを開く学校が多くなっています。
 一方この時期は、模試の成績表・答案などで見つかった「穴」を埋める時期でもあり、1時間、1分が貴重な時期です。それだけに参加させるべきか迷う保護者が多いと思います。
 本番でも緊張しないタイプの子ならいいのですが、なかには最初の教科は緊張で頭の中が真っ白になるという子もいます。そのため、実際に受ける学校の教室に慣れておくことは、本人にとっては大きな安心感につながります。ですから、できれば参加したほうがいいでしょう。
 子どもが入試問題(実際には前年の「過去問」のことが多い)をやっている間、保護者には「出題方針」「問題構成」「配点」「採点基準」などを話す学校があります。また小問ごとの正答率などのデータが提供されることもあります。

入試スタイルに変更がある学校はぜひ参加したい

 特に配点・時間などに変更がある学校を受験する場合は新しいスタイルに合わせて練習する必要があるので、ぜひ話を聞いておきたいもの。小問ごとの正答率も、「過去問」練習の際に、捨てる(最初から手をつけない)問題、ぜひとも正解しておきたい問題等を見極めるうえで役に立ちます。
 最近の算数の問題は、その場で考えさせるものが非常に多くなっています。そのため今では半数以上の学校が、途中式や考え方に部分点を与えるようになっています(たとえ答えが間違っていても、途中の式や考え方が正しければ部分点をもらえます)。説明会ではその学校が、「部分点を与える」「あくまで正解のみを得点とする」……など、どういう姿勢をとっているか説明があるはずです。
 国語では学校によって、「誤字」「脱字」「トメ」「ハネ」「ハライ」などの減点、社会・理科では用語・人名などの漢字指定に厳しいケース、さほど厳しくないケースがあります。こうした採点方法も、国語・社会・理科の説明で語られることがありますので、しっかりメモをとるようにしましょう。
 学校によって異なる場合は、厳しい学校に合わせて勉強することが大切です。

「参加できなくて申し訳ない」とは考えなくていい

 ただ、受験予定すべての学校に参加するとなると、時間が貴重なこの時期、受験勉強に影響が出るでしょう。本人は第一志望校、本命校だけに行くということでいいのではないでしょうか。本人が行けなくても保護者だけが参加するという方法もあります。しかし、働いているとそうそう都合がつかないという現実もあります。
 ワーキングマザーのお母さんの中には、「得する情報を得られる会に参加できなくてわが子に申し訳ない」と思う人もいるかと思います。しかし、お母さんが働いているというハンディはお子さんは端から承知のこと。その分何事も自分でやることに慣れ、強くなっているはずです。
 参加を勧めておきながらこう言うのも矛盾するのですが、きちんと勉強ができて、丁寧な答案が書けていれば、どのような採点基準であろうと大丈夫です。参加できない場合でも気に病まないでください。