テニス仲間の男性が、視野の中にぼんやりと黄色っぽい塊が見える、と話してくれた。目を酷使する仕事で、仕事にも支障があるので大変だとこぼしていた。
病院に行ったら忙しさから来るストレスが原因といわれたそうである。網膜の前に水がたまってしまったらしい。
その話を一緒に聞いていた女性は、やはりご自分の仕事仲間に、忙しくて喉の奥にポリープが出来てしまった女性がいるという話をしてくれた。
その方は、郵便局の窓口係をしていて、不特定多数の人を相手にしていると気が休まらないということのようである。
みんな大変だな、と思う。
私は怪我をしてひと月なのだが、急に白髪が増えた気がしてならない。
自分では忘れているし、気にもしていないつもりなのだが、例えば出かけた先のエレベータが混んでいて、みんなががこちら向きに立っているところに乗ろうと踏み出すと、何人もの人が、ちらりとこちらを見るのが分かる。
そこで初めて、「ああ、顔に絆創膏貼っていたんだっけ。」と思い出し「やだなあ。」と思ったりする。
本当にささいなことだし、私のことなんか知らないよその人ばかりなのに、忘れていたいことを思い出させられる瞬間だ。これも小さなストレスなんだろうと思う。
仕事で忙しいとか、あるいはたくさんの人に会わなくてはならないとか、締め切りに追われるとか、決済が迫っているとか、そういう巨大なストレスがある人の精神状態はいかばかりかと思ったりする。
目の前に塊が見えるという新たなストレスも抱える彼は、それでも仕事を休めない。
とにかく倒れないでね、と祈るばかり。
カテゴリ名: ひとりごと