昨日、いきなり寄席に行ってきました。
怪我はしてるし飲めないし、なんか楽しいことないかな、と思って。午前に形成外科に行って、今ならちょうど昼の部に間に合うな、と。
開場12時、開演12時半となっていたけど、12時15分にお囃子にのって前座の一力さんの寿限無からスタート。
寄席って、椅子の前に電車みたいにテーブルが出せるようになっていて、開演中の飲み食いOKなんですね。お弁当を食べたり、お茶やビールを飲んだり、みんなめいめいにやっていました。
平日昼間にも関わらず、開演時で3分の2近くの席が埋まり、途中入場・退場OKらしく次々席が埋まっていきます。
有名どころの林家正蔵がでる2時ちょうどにはほぼ満席になりました。
落語2本やって、染之助染太郎みたいな仙三郎社中の曲芸が入り、あとまた2本やって若手「ロケット団」の漫才、ぺぺ桜井のギター漫談(少々演者変更があった模様)、そして2時に正蔵。
寿限無も饅頭こわいもあったので、これは知ってる、となじみ深かったです。
柳屋喬太郎さんの、新築祝いの台所の龜を安く買ってきたらそれが肥壺の龜で、それでもとぼけてプレゼントしたらそこに汲んだ水でお料理を出されてしまうという噺が面白かったです。
あと、藤次郎さんのくずやのゴミの分類みたいな噺も。
正蔵は創作落語で、家の本のカバーを違う本にかけたのを子どもが学校に持っていってしまう噺(ご想像通り中身はポルノ小説)でした。
カバーが「竜馬がゆく」で旬だし、遅刻の3人の国会議員の話も取り入れて新しさ満載でした。
しかし、一番の圧巻は三遊亭圓歌さんでした。たぶん皆さんご存知でしょう。昔は歌奴と言いました。
御年81歳だそうですが、なんの、一番面白く、聴衆を惹きつけるとはこのことでした。
小さん師匠(永谷園のCMに出てました)、円楽師匠(ついこの前お亡くなりになりました。)の話もでましたが、しんみりしないで笑わせるところなど、まさに芸術だと思いました。
この圓歌師匠が落語の説明をちょっとしてくれたので披露します。
落語は次の演者が出てくる間に、いちいち前座さんがざぶとんを裏返すのですが、(この所作がまた美しい)そのあと座席をじっと座っったまま見ていて、お客さんが全員着席するまで名前の札(勘亭流の墨書きです。)の横で動きません。
全員が座らないと、落語家さんの目の動きが定まらなくなるからだそうです。
全員が座って初めて前座さんが退場して、お囃子がなって落語家さん登場ですが、この音楽、ひとりひとり全部違うそうです。
そして、落語家さんの視線。これはもうやや下に向いてやるものだそうです。上方落語の枝雀さんが上を向いてする芸を編み出したそうですが、ほとんどの落語はやや下向き視線。そういうものだそうで。
圓歌師匠は、昭和42年に初めて落語家が宮中に呼ばれた時の噺をしてくれました。(これもまただいたいご想像がつくでしょうが、しもじもとはこうも違うみたいな噺でとても面白かったです。)
宮中の話なんてみんな知らないし知りたいですから、客席は全員釘付けになっておりました。
落語家さんの扇子は、お箸にもなる、お酒にもなる、釣竿にもなるし天秤棒にもなる魔法の扇子でした。
そして手ぬぐいも、本になる、お皿になる、手紙になる・・・これまた魔法のてぬぐいでした。
笑うとまだちょっと痛いけど結構笑ってきました。痛くても治癒力が上がった気がします。
笑う門には福来たる!
カテゴリ名: ひとりごと