大阿者闍利さまにお会いしてきました。
京都駅から湖西線に乗り、目の前に広がる琵琶湖を見ながら、比叡山へと向かいます。
最寄の駅は、比叡山坂本駅。
駅周辺にもお寺が点在していました。
ここからはタクシーで、飯室不動堂へ。
対向車が来たら困るような山道を登っていきます。
比叡山延暦寺。
延暦寺という名前のお寺そのものはなく、標高848mの比叡山全域を境内とする寺院の総称だということを、タクシーの運転手さんからお聞きして、初めて知りました。
10分ほどで飯室不動堂に到着。
護摩焚き用の細い木に、お願い事、氏名、年齢を書き入れました。
そして、お堂へ。
約200名近くの方々が、場所を譲り合いながら、寒いお堂に正座して待ちます。
ほどなく大阿邪闍梨さまが白装束で、出てこられました。
お経を唱えながら、護摩を焚くこと、2時間。
最後には、聖水と思われるお水をかけてくださったり、剣で両肩をトントンと叩いてくださいました。
お一人ずつ、全員にです。
まさか一人ずつ回ってくださるなんて思いもしませんでした。
同じように考えていたのでしょう、隣に座っていた友人が、最初のお水の時に、
「ここまでは、かからへんなぁ」と、つぶやいていましたから(笑)。
正座して護摩をくべて、200名の間を2周する、この約2時間を、82歳の大阿闍梨さまは、実に淡々とこなしていらっしゃいました。
男性性と女性性までもが融合したような、柔らかなお顔が印象的でした。
帰り際にご奉仕の方々が用意してくださったという、炊き込みご飯と、お味噌汁、切干大根を頂きながら、今回案内してくれた友人から話を聞きました。
「約7年かけて約4万キロを歩く千日回峰行をすれば、何かがわかる、何かが変わると思っていた。でも、やってみたけど、何も変わらなかったし、特別に何かがわかったわけでもなかった。だから、もう1回(千日回峰を)やったんだ」
とおっしゃったそうです。
1980年から1回目の千日回峰、そして、それを終えた半年後には2回目の千日回峰に出発されたそうです。
この在り方も、やっぱり淡々としていらっしゃる、私にはそう映りました。
護摩焚きの際のご様子と似ていると思ったのです。
「自分の与えられた人生を大事にこつこつと繰り返すことが大事なんじゃないかな」
「自分の身の丈に合ったことを、毎日毎日、一生懸命やることが大事なんじゃないの」
『一日一生』の中で、こう書いていらっしゃいます。
まさに、ご自分のこの言葉通りに、毎日を淡々とこなしていらっしゃる、大阿闍梨さま。
この姿勢を持って、私達大人も、子どもをサポートしたいなぁと思います。
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