POP広告を書く仕事をするにあたって周りをみまわしてみると、一つ一つの商品には実に様々な手がかかっているということがわかってきた。
例えばここにドレッシングがある。
ダイショーというメーカーの「ちぎりレタスドレッシング」というレタス用のドレッシングだ。
このドレッシングの味をせっせと研究した人々というのが必ず存在するわけで、きっとプロジェクトチームをつくって、何種類も試しては失敗してたどり着いた最高の味なんだろうと思う。
そして商品に「ちぎりレタスドレッシング」という名前を付けた人がいる。「レタス用ドレッシング」でもなく「ドレッシングforレタス」でもなく「ちぎりレタスドレッシング」。
それからパッケージ。
書かれている言葉を並べてみると「ダイショー ちぎりレタスドレッシング 焙煎ごま使用 ごましょうゆ味 レタスのために作りました 素材例」これが表面に書かれている言葉の全部だ。
そして字の背景には一枚だけ皮がむかれたきれいな黄緑色のレタスの写真がある。これが「素材例」ということか。
レタスのサラダではなく丸いままのぱりっとした玉のレタス。この写真を撮った人もいるんだな~。
パッケージを何mlで作るか、形や素材は何を使うかプラスチックかガラスびんか蓋はスクリューか、値段はいくらにするのか…などなど、相当な手がかかっているのだろうなあ。
そうやって商品は出来ているのか。なるほど。
はっきり言ってこの商品を買うときにこれが「ごましょうゆ味」だかどうだかは見なかった。
でも名前が「ちぎりレタスドレッシング」でレタスの写真がついていたから買った。
なんでか知らないけど「おいしそう」だと思ったのだ。
だからこれをPOPに起こすときは「ダイショー ちぎりレタスドレッシング ○○○円」ではイマイチだ。
どこかに「レタスのためにつくりました」を載せたいな。
「PASCO 超熟 あきないおいしさ こむぎあじ 余計な物は入れない。余計なことはしない。素材を選び独自製法で誕生した小麦の自然なおいしさ「こむぎあじ」 6slices」
食パンである。
これならPOPに足すのは「小麦の自然なおいしさ」だろうな。
POPの指示書には商品名とメーカー名と値段しか出ていないが、これはクリエイターの工夫だろうなあ…と思う。
ものが売れない時代。ドレッシングなんて何でもいいだろうという人々に「ちぎりレタスドレッシング」を買ってもらうにはどうしたらいいか、出来上がった商品の販促についても考えている人がいるということか。
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