• 大学ってこんなところ
      今年小学校を卒業する皆さんにとっては、4月からの中学校生活のことで頭がいっぱいで、高校のさらに先の大学のことなんてとても考えられないといった気持ちでしょう。しかし、中高時代の学びは確実に大学につながっていきます。ですから、大学がどんなところで、どんな学び方をするのかを知っておくことは、決して無駄ではなく、むしろ中高時代の学びを充実したものにしてくれるでしょう。

      大学には時間割はなく 自分で学ぶのが基本

       高校までは、国語や数学、英語、理科などの教科を学びます。しかし、大学には教科はありません。あるのは、学問の世界につながる授業科目だけです。しかも、決まった時間割もありません。大学では、自分が興味を持った授業科目を自由に選んで授業を受けることになります。
       その授業も、先生が一方的に話すのを聞いてノートをとるというスタイルは減ってきます。その替わりに、自分が課題を見つけて調査し、仲間と議論しながら解決策をまとめ、発表するといった授業が増えてきます。
       こうした能動的な学びは、「アクティブ・ラーニング」と呼ばれ、文部科学省の調査によれば、7割近い大学がアクティブ・ラーニングの手法を取り入れた授業を導入済みか、導入を検討していますし、高校でもアクティブ・ラーニングタイプの授業が増えています。こうした学び方で重要なポイントは、自分から進んで学ぼうとする意欲です。皆さんも中学校に入学したら、ぜひ自分から学ぶ姿勢を身につけるようにしてください。

      幅広い視野を身につける教養の勉強も大切に

       大学は、専門的な内容を学ぶところだと思っている人が多いと思います。確かにその通りですが、専門分野だけを学ぶのではありません。
       現在の大学は、教養教育を非常に重視しています。というのも、専門分野だけをあまりにも深く狭く追究しすぎると、他の学問分野との連携や、違った視点から研究を行うことが難しくなり、研究そのものが行き詰まってしまうからです。
       それを打開してくれるのが教養の力です。教養は、様々な学問分野の基礎を学ぶことによって形づくられます。哲学や宗教、政治、経済、科学、芸術など多様な科目を学ぶことで、現実社会を的確に見極める力や、人間への深い洞察力などを身につけることが可能になるのです。
       大学に入学したら、好きなことばかりではなく、自分がまったく興味がないようなことを意識して学ぶことが将来のためになるということを、覚えておいてください。

    • 社会や地域が教室になり 教員以外の人からも学ぶ

       大学では、教室の中だけが学びの場ではありません。「フィールドワーク」と呼ばれる、大学の外で学ぶ授業も数多く用意されています。地域の人たちの活動に参加して、その地域が抱える問題の解決方法を、地域の人たちと一緒に考える「サービス・ラーニング」と呼ばれる学び方も徐々に増えてきました。
       また、医療人材や教員など実務的な資格取得を目標にしている大学には、長期間におよぶ実習科目があり、自分が将来働くことになる現場で学ぶ機会が数多くあります。
       このほか、実社会を知るのに効果点なプログラムとして、県庁や市役所などの行政組織や民間企業、NPOなどに出向き、一定期間就業体験を行う「インターンシップ」も、多くの大学が導入しています。

      留学や海外研修などで 世界が学びの場になる

       大学は今、グローバル人材の育成に力を入れています。グローバル人材とは、経済産業省によれば、「外国語(とくに英語)のコミュニケーション能力」「異文化理解・活用力」「社会人基礎力」などを身につけた人であり、そうした力をつけるための学びも盛んに行われています。
       その代表的な学びが、海外留学や海外研修です。異なる言語や文化、考え方のなかに身をおくことは、それまでの自分の考え方や価値観を見直すいい機会になります。
       実際、ほとんどの大学に、目的や滞在期間が異なる留学プログラムや研修プログラムが複数用意されています。しかも、留学先での学費負担がない「交換留学」のほか、海外の大学と日本の大学の両方の学位が取得できる「ダブル(デュアル)・ディグリー制度」、1年間留学しても4年間で卒業できる制度など、魅力的なプログラムも少なくありません。

      充実した学校生活で 大学入試に備えよう

       大学で学ぶには、大学入試に合格する必要があります。ただし、皆さんが受験するときには、大学入試は現在とは変わっているはずです。
       とくに、毎年、大学入学志願者の7割以上が受験するマークシート方式の「大学入試センター試験」は、2020年度入試から、記述問題や、思考力・表現力などを問う問題を含む新テストにおきかわる予定です。
       さらに、面接や小論文、高校における活動状況、各種コンテスト・コンクール・大会での実績などを総合的に評価して選抜する入試が導入されることも想定されています。ですから、中高時代は、勉強だけでなく、学校の活動すべてに一生懸命取り組むようにしてください。

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