• 中学校からはじまる
      新科目勉強法
      中学生になると、小学校では勉強しなかった科目も学ぶことになります。
      算数の代わりに数学が始まりますし、新たに英語の授業もスタートします。
      どんなこと学ぶのか、勉強についていけるのか、不安に感じている人もいるかもしれません。
      そんなみなさんに、勉強のコツや、成績を伸ばすアイデアなどを紹介します。
      山本 紀彦さん

       小学校で英語が好きだった人たちが、中学校で英文法中心の授業が始まったとたんに英語嫌いになる、ということがよく言われています。でも、せっかくこの記事を読んでくれているみんなには、そうはなってほしくないです。英語を好きになって、英語を得意科目にしてほしい! だから、そのためのヒケツをお教えしたいと思います。いいですか、言いますよ。それは、「最初からすべての英文法を覚えようとしないこと」。これがけっこう大切なポイントなんですよ。実は英語が得意になった先ぱいたちは、英文法についてはそれほど詳しくない、という話もよく聞くほどです。
       英文法っていうのは「英語のルール」のことです。つまり、「スポーツのルール」や「ゲームのくわしいやり方」といっしょです。たとえば野球をやったことがない人が、そのルールだけを読んだり、教えられても、それがどんなスポーツなのかは、実際に体験してみないとわからないですよね。ルールはよくわからないけれど、とりあえず、みんなといっしょにやってみる、体験してみる。たとえば野球には「タッチアップ」というルールがありますけど、それを説明するのに「バッターが外野フライを打って、それを外野手がキャッチしてバッターはアウトなんだけど、その瞬間から、ランナーは次の塁に向けて走り出してもOK」とか言っても、きっと野球をしたことがなかったら、いったい何のことかわからないですよね。
       テレビゲームやカードゲームだって同じ。みんな最初から説明書は読まないでしょう? まずは、いきなりゲームをやってみる。直感的になんとなくやって、そこそこできるようになるけれど、もっと上手になりたい、勝負に勝ちたい。そう思ったとき、はじめて説明書を見てみると、「へぇ! こんなやり方があったんだ」というのがよくわかる。逆に言うと、最初から説明書を読んでも、何のことが書いてあるのかよくわからない。こんな体験、きっとみなさんも「あるある」ですよね。


       ここでおすすめなのがNHKの基礎英語シリーズです。中学校1年生向けの基礎英語1では、実は文法の解説はほとんどありません。ストーリーを聞いて楽しむ。あるいは声に出して読んで楽しむ。さっきお話ししたスポーツやゲームと同じなんです。それが結果として勉強になっている、ふしぎでしょう? でも、そんな魔法のようなテキストなんですよ。そして、中学2年生、3年生になったとき、基礎英語2や基礎英語3では、ばっちり文法もフォローしています。つまり、1年生で実際にいろいろやってみて、準備ができたあとにルールの説明が出てくるから、よーくわかるようになっているんです。
       ここから先は保護者の方にも読んでもらいたいのですが、最近は高校入試でも大学入試でも、細かな文法の知識を問う問題というのは、ほとんど出ないんです。
       どんな問題が出るかというと、たくさんの英語を聞いたり、読んだりして、そこにはどんなことが書いてあったのか、という内容などを問うものなんです。そして文部科学省の方針としても打ち出されているように、2020年以降、みなさんが高校入試や大学入試を受けるころには、さらにこの傾向が強くなっていくのは間違いないでしょう。
       これまで文法を悪者のように話してきましたが、誤解のないように言っておくと、やはり英文法も大切です。ルールを正しく知っておけば、どんな英文だって読めるようになりますし、きちんと通じる英語を話せるようにもなりますからね。当然、英語の試験にだって役に立つし、将来皆さんが社会へと旅立ったときにも、心強い味方になりますよ。でももう1回だけ。「英文法はあとでもOK」です。
       最後に、基礎英語のおすすめの使い方をご紹介しておきましょう。まずはテキストを見ながらラジオで番組をよく聞くことです。そのあと、番組で聞いたときの音をまねして、何回も何回も口に出してみてください。テキストに出てきた全部の文をやる必要はありません。はじめのうちはキーフレーズだけ、あるいは、自分の気に入った文だけでもOKです。でも、ただ音だけまねをしてもダメですよ。たとえば、I like ice cream! という文だったら、自分の大好きな味のアイスクリームをイメージしながら、まるで五感で感じているようにイメージしながら、声に出してみてください。お腹がへってくるぐらい気持ちをこめて。私なら大好きなチョコミントの色と味をイメージしながら言いますね(笑)。英文を書く練習をするときだって同じですよ。強くイメージしながら書いてみてください。これも、英文を覚えるときの、とっておきのヒケツです。
       そして、せっかくやったことは、復習をすること。これがすんごく大切。基礎英語は、インターネットのストリーミングというので、前週分の放送をいつでも好きなときに聞けるんです。月曜から金曜はラジオを聞く。そして土曜と日曜はストリーミングで復習をする。1週間前に習ったけど忘れかけていたことを、もう1回やってみる。大事なことなのでもう1回言いますね。「これがすんごく大切!」。それに、すでに1回やったことだから、復習はとても楽々で、効果はバツグンなんですよ。



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