中学校からはじまる英語・数学勉強法

中学生になると、小学校と異なる勉強が始まります。算数の代わりに数学が始まりますし、英語の授業も本格的にスタートします。中学の授業ではどんなことを学ぶのか、勉強についていけるのか、不安に感じている人もいるかもしれません。そんなみなさんに、勉強のコツや成績を伸ばすアイデアなどを紹介します。

英語「励まし合って、1日15分の勉強を続けよう。」英語「励まし合って、1日15分の勉強を続けよう。」

 英語の重要性については、改めてここで触れる必要がないくらいみなさんも十分に理解されていることと思います。だからこそ、できるだけ早くから英語に触れてほしいと、小学校から英語を学ぶことになっているのです。けれども、小学校で学ぶ英語は、英語という言葉に慣れたり、親しんだりすることが大きな目的でした。そのため、英語を習ってはいても、授業の名前は、小3・4が「外国語活動」、小5・6が「外国語」だったのです。

 では、中学からの「英語」の授業で学ぶ英語は、小学校の「外国語」で学んだ英語とどう違うのでしょうか。もっとも大きな違いは、「文法の仕組みをしっかり学ぶ」ということです。小学校でも過去形を使った表現は学びます。けれども中学では、過去の概念をしっかりと確認することや、主語(S)や述語動詞(V)、目的語(O)などをどんな順番で並べるかといった語順を正しく理解することなど、英文法をしっかり理解した上で、学んでいくことになります。

 文法の理解で理想的なのは、「気づいたら身についている」ということでしょう。気づいたら正しい語順で英語をしゃべっているという状態に持っていくことができれば最高です。そのためには、正しい文法で書かれたり、話されたりした英語を何度も口に出したり、書いたりする学習が効果的です。

 具体的には、教科書で例文が出てきたら、まずそれを覚えます。次にその例文を「気がついたら使えている」レベルまで持っていくために、どんどん使っていくのです。たとえば、Let's meet after your piano lessons.といった例文を覚えたとすれば、ピアノのレッスンをサッカーの練習に置き換えるなど、自分の身近なものに単語を入れ換えてくり返し使っていくのです。そうすることで、自然とその英語の表現が身についていくようになります。

 文法の学習とならんでもう1つ、大切なことがあります。それは英語の上達には、できるだけたくさんの英語の音に触れた方がいいということです。お手本となる英語をたくさん聴くこと、そしてそれをまねしてみること、さらには少し変えて使ってみることが、英語の力を伸ばす秘訣だといっていいでしょう。


 そこで活用していただきたいのが、ラジオ講座「NHK基礎英語」です。英語は「読む」「書く」「聴く」「話す」の4技能をバランスよく身につけることが大切ですが、音から入る基礎英語は、英語をこれから本格的に学ぼうという人には、まさに最適な教材といえます。

 中学生向けの基礎英語シリーズは、「中学生の基礎英語レベル1」「中学生の基礎英語レベル2」「中高生の基礎英語 in English」の3冊があります。2020年度までは、学年進行に合わせた3冊でしたが、2021年度から学習指導要領が変わり、レベル1とレベル2で、中学3年間で学ぶ英文法をすべて学ぶことになっています。ですから、学校よりも基礎英語の方が、少し進度が早いということになります。

 とはいえ、レベル1の入り口は、これまでとほとんど変わっていません。実際には、小学校の「外国語」で、これまでの中1が学んできた表現の半分くらいのレベルまで習っています。しかし、その復習もかねて、改めて英語の勉強を一から始められるように作ってあります。ですから、小学校で英語が苦手になってしまった人も、基礎英語でもう一度最初から学び直すことができます。得意だった人はもちろんですが、苦手だった人も、その苦手意識を巻き返すチャンスとしてぜひ基礎英語を使ってみてください。

 レベル1、レベル2ともに、1年間を通して同じ登場人物がストーリーを展開していく内容になっているため、話の展開を楽しみながら勉強できるというメリットもあります。1日の放送時間は15分、1日に何回も放送されますから、自分の都合のいい時間に学ぶことができます。しかも、スマホやタブレット、パソコンがあれば、アプリやホームページなどで過去1週間分の放送をいつでも聴くことができますし、放送内容の重要部分が入ったCDが別売されているほか、CDの音声をダウンロードすることもできます。聞き逃してもあとから繰り返し聴くことができる仕組みが整っていますから、安心してはじめてください。


 基礎英語をどのように使うかはみなさん次第です。学校の勉強をしっかりやりたいなら、基礎英語はストーリーを楽しむために聴くだけという使い方でも大丈夫。英語の音をできるだけたくさん聴いてインプットを増やすことができるからです。もっとしっかり勉強したいという人は、テキストを見ながら番組を聴き、後半部分にある練習にしっかり取り組むといいでしょう。毎回のレッスンで必ず1つ例文が出てきますから、その例文をしっかり覚えて使う練習をすればかなり力がつきます。本当に使い込みたかったら、ストーリーや例文を何度も聞いては音読するという練習をくり返すことをおすすめします。きっと「気がついたら使えている」という状態に近づいていくと思います。

 最後に、もっとも重要なことは「継続は力なり」ということです。基礎英語はすばらしい教材ですが、続けて学んでこそ力がつくにように作られています。続けるには意志の強さが必要ですが、一緒に学ぶ仲間がいると、励まし合いながら続けることができます。新中1生のみなさんなら、ご家族と一緒に始められてはいかがでしょう。英語の世界をぜひ楽しんでください。