通信教育でも大丈夫ですか?

 小4の2月から大手塾に通わせようかと思っていたのですが、主人の冬のボーナスがだいぶカットされたので、予定が狂いました。経費が安くて済む通信教育に切り替えようかと考えていますが、通信教育で中学受験は可能ですか。
  安田先生のアドバイス
強い意志で継続できるなら可能

 企業の業績が急速に悪化してきているので、家計の方もその影響をもろに受けていることと思います。この先どうなるか不透明なので、お子さんを中学受験させるか迷われている方も多いのではないでしょうか。
 財布事情の影響からでしょうか、確かにこのところ塾に通わせないで受験に臨む家庭、ご質問のように通信教育で受験する家庭が増えていますし、現実にそうしたかたちでも合格しています。
 ただ中学入試の問題は、小学校での勉強とまるで次元が違うので、中学受験の経験のない保護者が自力で対処することは難しい面があります。ですが、ご両親のどちらかが中学受験の経験者ならば、難関校でなければ通信教育でもどうにかなるのではないでしょうか。ただご家庭で勉強を続けるということは、本人はもちろん保護者も強い意志を持っていることが必要です。 
 幸い今は通信教育に力を入れる会社が増えています。大きく、小学館、ベネッセといった出版社系、サピックス、日能研、四谷大塚といった塾系に分けられます。出版社系は基本学力をつけることに力点が置かれているので、受験には塾系のものがふさわしいでしょう。
 問題は、本人の意志です。親がその気になっていても、本人にやる気がなければ送られてくる教材がどんどんたまるばかりです。ですから、各社の見本を取り寄せ、本人がいちばんやりやすいもの、興味を示したものを選んではどうでしょう。どれでいくか決まったら、本人と話し合いながら、毎月のスケジュール、週間計画、日課表を作りましょう。通信教育は毎日コツコツ積み重ねていくことが生命線です。最初から目いっぱい時間を使う計画にするのではなく、余裕がありすぎるくらいでちょうどです。また、計画通り進まなかったときにそれを補える日をあらかじめ計画の中に盛り込んでおくことが長続きさせるコツです。
 家ではなかなか子どものモチベーションが上がらないということであれば、夏期講習、冬期講習などだけ塾に通わせて、友だちが勉強している姿を見せるのもいいでしょう。
 情報については、書店に行けば中学受験専門の情報誌がありますし、時折大手塾のホームページを覗くクセをつけておくといいでしょう。2月から3月にかけては、大手塾が入試報告会を開くので、それらに参加すれば最近の入試状況がどうなっているか概略がわかります。
 子どもの客観的な学力が知りたくなったら、ときどき公開模擬テストを受けるようにすればいいでしょう。首都圏では、首都圏模試、センター模試、四谷大塚が3大模試と言われています。それらの会社のホームページにスケジュール、申し込み方法などが出ています。
 最初から飛ばしすぎないで、またお子さんを叱咤しすぎないで、徐々に習慣づけしていくようにしてください。
 


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