今月から4年になりますが、将来公立中高一貫校を受験させたいと思っています。

2008年度入試では、公立中高一貫校が大人気だったと聞きます。我が家でも公立中高一貫校を考えています。4年になる男の子ですが、いまからどんなことを勉強しておけばいいでしょうか。
  安田先生のアドバイス
ご両親の接し方が重要

 確かに08年度に中学募集を行った1都5県(東京、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬)の公立中高一貫校の応募者数は、総計で17,322名にも上りました。
 内訳は、東京‥7校計9,133名(都立一般枠8,035名、同特別枠86名、同海外帰国・在京外国人生徒枠47名、千代田区立九段965名)、千葉‥2校計3,167名、埼玉‥2校計3,423名、茨城‥1校866名、栃木‥2校計1,123名、群馬‥1校610名です。
 東京では、都立一般枠と九段の応募者の合計だけで9,000名と、都内公立小6年生の約10%に上り、男子は約11人にひとり、女子は約9人にひとりが公立中高一貫校に応募していることになり、いまや中学受験の世界で公立中高一貫校は大きなシェアをもつまでになりました。
 お子さんが受験するまでには、さらに神奈川で2校、東京で4校の公立中高一貫校が開校しますので、さらに大勢の人が目指すようになるでしょう。
 具体的な受験対策は6年になってから大手塾の「公立中高一貫校コース」に入るなり、通信教育の「公立中高一貫校コース」を受講すればいいいでしょう。まだ4年ということですので、ここではその基本となる能力・資質をつけるためにご家庭でできることをお話しします。
 まず、各校のHPから「適性検査問題」をダウンロードして、問題を見てください。どんな学力が問われているか、ご両親に理解していただきたいのです。そうすればテキストをやる以上に、以下のことをやることが大切だとお分かりいただけると思います。
●子どもとの会話を増やす
 まずこれが原点です。そのためには顔を合わせる時間を増やさなければなりません。夕食が銘々バラバラな「個食」であったら、少なくとも朝食だけは必ず一緒に摂るようにしましょう。
 会話の材料として、新聞は有効です。ニュースはネットでわかるからと、新聞を購読する人が減っていますが、お子さんに読ませるためにも購読したいものです。
●子どものいるところで、本を読む、調べる作業をする
 親が本を読まないで、子どもが読むわけがありません。居間にはさまざまなジャンルの本を置いておき、親自身が読んでいる姿を見せましょう。また、辞書を引く、世界地図で場所を探す、時刻表を調べるといったときには、必ず子どもも参加させるようにします。そうしたことを一緒にすることで、はじめて子どもは自分で調べるクセがつきます。時間がかかっても、子どもにやらせることが大切です。
●自然体験、社会体験をさせる
 昔の子どもに比べると、住居事情が違うせいもありますが、いまの子は動物を飼ったり、植物を育てたりする経験が乏しくなっています。虫に触れなかったり、裸足で泥の中に入れなかったり……。教科の勉強以外の経験が乏しいと、面白がるもの、強い関心を抱くものが見つからなかったりします。子どもは大好きなものについてはいつまでも関わり続けます。そうしたこだわる経験があってはじめて、自分から調べる姿勢が自然と身につき、深い勉強につながります。
 「適性検査問題」を見てお分かりのように、お子さん自身の体験を基に考えること、体験をベースに書くことが求められます。そうした意味では、お子さんの体験を知らない塾の先生や通信教育の会社の一般的な対策では限界があります。お子さんの体験を知っている親御さんのかかわりが極めて大切なので、いまから上のようなことを実践してください。
 


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