受験というものは、学校側に定員というものがあるわけですから、全員が入れるわけではありません。そのために選抜試験を突破できるだけの学力をつけることが第一で、それは当然です。が、そのほかにも大切なことがあります。
●お金がかかる
私立中高一貫校に6年間通わせると、平均的な学校でもだいたい600万円かかるとされています。これに3年間の塾費用が平均で約230万円。
ご家庭にとっては大変な出費です。子ども一人はなんとか進学させられても二人は無理というご家庭もあることでしょう。そうなると、この子は私立、この子は公立と、兄弟・姉妹でも選択しなければなりません。親としては悩みに悩むことになります。
ご家庭の財布事情が厳しいならば、次のような受験スタイルがあることも知っておいてください。塾に行かずに家庭学習だけで受験する(お子さんの強い意志とご両親のサポートが必要ですが、こうした受験の仕方でも中堅校なら合格しているケースはあります)。
受験する私立中学も特待生制度のあるところだけを受ける、という方法もあります。こうした制度を設ける学校が年々増えていますので、調べてみるといいでしょう。
ただこの場合は、「特待生合格」でない一般合格なら「入学させられないよ」ということを前もってお子さんに話して納得させておかなければなりません。親としては辛い話ですが、そのくらい大人扱いしてもいいのではないかと考えます。
●ストレスがかかる
塾の送り迎え、お弁当作り、たくさんの「学校説明会」への参加、成績に一喜一憂……など、中学受験は親の時間的、肉体的負担も大変です。
子ども自身も、思いっきり遊べない、成績が下降線をたどると自信を失う……など、結構負担になっているものです。こうして長い受験生活のなかでは、親と子の関係がおかしくなることも生じます。
また受験先も、これだけのことをしたのだから、これだけお金を使ったのだからと、少しでも偏差値の高い学校へ、子どもの力以上のところへ、という受験になりがちです。子どもが傷つき、親も落胆することがあるのが受験の常です。
中学受験することには以上のようなリスクもあることも知っておいてください。
ですが、これだけの努力に値するすばらしい私立中学がたくさんあります。
また、たとえ第一志望に合格できなくても、受験を通じて、子も親も、受験しなかったときには経験できない、厳しいけれども充実した時間を過ごせます。是非受験を通して成長してください。
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