11月、12月は、大手塾が盛んに無料学力テストを行っているので、ためしにお子さんを受けさせたというご家庭も多いことと思います。塾にとっては、このテストを行うことで、当該学年の児童の氏名・住所・電話番号が手に入るわけですから、当然塾生の勧誘を行います。成績が悪ければ悪かったで「お母さんこのままでは大変ですよ」、よければよかったで「これほど高い学力なのに受験しないのはもったいない」といった具合になります。
入塾を検討するにあたって一番大切なことは、子ども自身が塾に通うというところまで意識が成長しているかどうかということ。子どもにその気がないのに通わせても、単に行って時間をつぶしているだけで少しも身につかないということになりがちだからです。
進学塾ですから、当然中学受験することが前提になります。まず、お子さんと中学受験するかどうか話し合ってください。ご両親がいる場合はご夫婦でも。全員の意志が合致しているならば、スタートしてもいいでしょう。
ただすぐこの塾にするということではなく、いくつか実際に出向いてみて材料を集め、検討することをお勧めします。塾によって、お子さんに合う、合わないだけでなく、塾に全面的に任せられる、ご家庭でのサポートがかなり必要……といったご家庭との相性もあるからです。幾つか見学して、大手塾なら教室長、個人塾なら塾長と話をすれば、その塾の方針・レベル・塾生への姿勢の違いが見えてきます。そうしたことをした上で選んだほうが、後で「転塾」というケースが少なくなります。
入塾の学年ですが、学習指導要領の改訂で学習内容が減らされてから、小学校で学んでいることと入試問題の差が一段と広がっています。そのため入試問題レベルまで子どもの学力を引き上げるのに時間がかかるようになりました。そのため従来ですと2年間で済んでいたものが、3年かかるようになっています。そうした点から、新小4(つまり3年の2月)から入塾する子どもが多くなっているのは事実です。このことはお父さんにも理解してもらってください。
ただこれは一般論で、先にもお話したように、子どもが幼くまだ自覚がないのであれば、急がないほうがいいでしょう。かえって勉強嫌いにしてしまう心配があります。
この機会に、「なぜ中学受験するのか」、是非親子・ご両親で十分話し合って決めてください。 |
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