本人が5年生になる頃に、補習塾から進学塾に替わりたいと言いだし、初めて中学受験というものを考えた。通塾前に塾の説明会に参加し、家族でも話し合った上、経済的な事情から受験するにしても国立か公立中高一貫校ということでこれまで勉強してきた。公開授業を見学したり、夏休みの体験授業に参加したりはしたが、魅力的に思ったのは親ばかりで、本人には絶対にここに入りたいという思いは芽生えなかった。それでも受験のためだけでなく、この先の将来のためということで取り組んできたが、ここにきて受験そのものを断念しそうになっている・・・・・・以上のような背景ですね。
このケースは、小学校の友だちと思いっきり小学校生活を楽しめない、勉強が辛くなった、受験といっても学校が限定されていて、しかも倍率が高くて合格する保証はない・・・・・・といったようにいろいろな要素が含まれているので難しいですね。
お母さんがおっしゃるように、受験する学校に行きたいという気持ちが強ければ、もろもろの立ちはだかる壁を越えて行けるのでしょうが、肝心のその部分が弱いので壁を乗り越えられなくなっているのでしょう。
塾の友だちが、有名校から安全確実な学校まで幾つもの私立を受けるという話を聞いて、羨ましくなっているのではないでしょうか。
いま私立の中には、「特待生制度」を導入して入学金・授業料を免除する学校が増えていますから、そうした学校に成績優秀で受かれば学費負担は大幅に軽減されます。そうした学校なら通わせられるのではないでしょうか。ただその場合には、「うちは特待合格でなければ行かせられない」ということをハッキリ伝えることが重要です。そうした現実をしっかり受け止めさせることも、子どもを大人にする上で欠かせないことだと思います。
私立でも関係ない。あくまで塾をやめたい、受験をやめたいというのであれば、ここまできて残念ですが、断念するしかないのではないでしょうか。
馬を水辺に引っぱっていくことはできますが、水を飲むのは馬だからです。
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