「過去問」は早くやりだしたほうがいいですか?

塾のお母さん方と話をしていたら、もう「過去問」をやりだしたという人がいました。わが子は不得意分野のおさらいも終わっていない状態なので、まだ「過去問」を手に入れてもいません。早くやりだしたほうがいいでしょうか?
  安田先生のアドバイス
11月からでも大丈夫

 「受験予定校の『過去問』は全部手に入れた」「もう『過去問』に手を付け出した」……といった話を耳にすると、「うちも早くとりかからなければ」とあせります。ですが、これはお子さんの状況しだいです。
 小3、小4から塾通いをしていて、受験範囲をひととおり勉強し終え、総復習もすんでいるならすぐにでも「過去問」にかかっていいでしょう。が、小6から受験勉強を始めてまだ全範囲の総まとめが終わっていない、不得意のおさらいも終わっていない段階でしたら、「過去問」に手をつけるのは先に延ばして構いません。
 全範囲の勉強が終わっていないうちに「過去問」に挑戦すると、全く歯が立たず、自信を失って受験そのものをしたくなくなったり、志望校を変えたくなったりするからです。「過去問」は総復習、不得意の克服がすんでから手をつけます。場合によっては11月からでもいいでしょう。
 塾の予復習・宿題があり、これからは学校行事も目白押しなので、なかなか「過去問」の時間が取れません。計画を立てずに、空いた時間にやろうとしてもできるものではありません。塾のない平日、日曜日、あるいは運動会の振替日といった時間を取れるときに、優先的にやる計画を立てましょう。縦軸に学校名、横軸に年度・教科欄を設けた表を作り、終わったものから塗りつぶしていくと、目に見える形で達成感が味わえるので効果的です。
 「過去問」をやるというと、どうしても古いものから年度順にやりたくなります。が、最初のうちは、そのとき塾でやっている単元を扱った問題を選んでやるといいでしょう。そうすれば塾での勉強を補強できますし、「過去問」もできるといった、一石ニ鳥の効果が期待できます。親としては志望校の過去の出題から単元に合った問題を選んであげることが役割となります。
 次の段階でも、年度順ではなく、勉強が進んでいる教科から進めていきます。同一教科を通してやることで、学校ごとのその教科の出題傾向の違いが自然とわかってきます。
 はじめのうちは時間を気にせずじっくり取り組ませたほうがいいでしょう。時間内に処理することにばかり意識が行くと、せっかくやっても力がつきません。
 「過去問」だからといって、何点取れたかを気にするのではなく、知識を身につける、記述力をつける、弱点を発見するといった、学力アップにつなげることを忘れないでください。
 


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