

公開模試を受けるというと、以前はひととおり受験範囲の勉強が終わった9月以降というのが一般的でした。ところが最近は小3・小4から受験勉強を始める人も多くなっているので、小6の4月の公開模試を受ける人数が年々増加しています。7月は当然4月よりも多いですが、公開模試の受験者数の最多はやはり10月から12月にかけてです。
「受験勉強のスタートが遅かったからまだ受けさせていない」―というのは正解です。ひととおり受験範囲の勉強が終わっていないのに受けても、まるでわからない問題があったり、返却された成績表の結果がひどくてやる気の喪失につながったりしては困るからです。
9月までに全範囲の学習が済んでいるようなら受けてみてもいいでしょう。3大模試の場合、合格の可能性を判定してもらう志望校欄に6校~8校書けるようになっています。ここに願望的な学校ばかり書くと、すべてについて20%以下の判定が出てしまうことがあります。今の子は、これで「なにくそ!」と頑張るケースは少なく、やる気がしなくなったというケースのほうが多いのです。それで親としては1校くらい思い切ってやさしいところを書かせることがコツです。現段階でも50%以上が出れば、本人はうれしいものです。励みになります。
9月段階でそれ以上に大切なことは、平均より低い教科、できていない単元を発見することです。志望校の合格の可能性より、今後どの教科のどこに力を入れて勉強しなければいけないか、勉強の指針を得ることのほうがよほど重要です。
返却された答案にも必ず目を通してください。設問の意図を取り違えていないか、字が乱暴でないか、計算で単純ミスをしていないか、時間切れになっていないか……早いうちに答案作成上のつまらないミスやクセなどを修正しておきたいからです。
受験勉強のスタートが遅かったのならなおさら、9月、10月は弱点発見と答案作成上の減点を防ぐことに役立ててください。
|
|