子どもが受験したいと言い出した

小学校の友だちが6年の夏に受験のための「夏期講習」に通うことがわかって、「私も中学受験したい」と言い出しました。いまからで間に合うのでしょうか?
  安田先生のアドバイス
「かけこみ受験」は案外多い

 中学受験の世界では、こうした6年になってから受験することにしたケースを「かけこみ受験」と呼んでいます。ここ数年増えており、決して無謀な話ではありません。
 お子さんが自分から言い出したのですから、経済的に可能なら受験させてあげてはどうでしょうか。ただいい機会なので、受験することについて親子3人でキチンと話し合うことをお勧めします。「なぜ中学受験するのか?」「中学受験する意味はどこにあるのか?」「どういうタイプの学校を選ぶのか?」……家中で考えてください。本を読む、経験者に話を聞く、ネットの掲示板で話題を拾うなどして、中学受験のメリット、デメリットをしっかり押さえること、受験へのスタンスをご夫婦で一致させておくことが重要です。
 また、これからでも受験費用はかなりかかります。めでたく私立中学に合格すれば、6年間の学費も相当な額に上ります。
 また受験勉強は、これまでの小学校の勉強とは全く違います。教材も量が多く、かつ中身も難しく、そうしたものに毎日何時間も取り組まなければなりません。中途半端な気持ちでは途中で挫折してしまいます。そういう意味からも、受験する強い意志を再確認しておくといいでしょう。
 今からで本当に「合格」できるの?と不安をお持ちと思います。結論から言えば、今からでも十分可能です。ですが、誰もが知っているような有名校は、率直に言って、「いまからでは遅い」のが現実です。これからの学力の伸びに合った学校を選んでください。
 スタートが遅かった親御さんに注意していただきたいことは、『焦らないこと』『動揺しないこと』の2つです。他の子達よりずっと遅く始めたのですから「出来なくてあたりまえ」。模試の成績を見てガッカリしないこと、子どもを叱咤しないことです。
 また他の親御さんが3年間で経験することを、これから8ヶ月間で集中して経験します。
 ですがどっしり構えて動揺しないことです。親御さんが不安になれば、それはお子さんにも伝わります。
 時間がないことは確かにハンディですが、それは覚悟の上。明るくおおらかに受験に臨んでください。そうすれば長い受験生活を送って疲れている親子より、いい結果を得ることは十分可能です。
 


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