偏差値が30台の学校でも私立に行かせる意味はあるの?

いまの様子だと、中学受験を考えたときに望んでいた学校には到底入れそうにありません。30台の学校になる可能性すらあります。高い学費を払ってまで、そうした学校に入れる意味はあるのでしょうか?
  安田先生のアドバイス
学校に何を望んでいますか?

 誰でも中学受験を考えた時には、わが子も誰もが知っている有名校に入れるような気がして塾に入れるものです。入塾テストも好成績だったりすると、塾から「お子さんなら難関校も視野に入れられます」と言われ、わが子に大いに期待するものです。
 が、学習内容が難しくなり、理解できなくなって、成績も頭打ち……。お子さんのやる気もうせてきた…。いまはそんな状態なのではないですか?
 でもこれはお子さんだけのことではありません。誰もが通る道だと思いましょう。
 そもそも偏差値60以上の有名校にみんなが行けるわけはないではないですか。2年、3年と塾に通っても40以下の学校に入学する人は毎年大勢いるのです。
 それに偏差値というのは、入学の難しさ、言ってみれば玄関の引き戸(最近は少ないですが)の幅の違いでしかありません。確かに入学が難しい学校ほど学業のレベルが高い、生徒もそろっているのは事実です。が、入学が易しい学校ほど先生がいろいろ努力し、工夫していることも事実です。
 お子さんが自分から自主的にどんどん勉強できる、難しいこと、新しいことに関しても結構理解力があるといった学力がない場合は、むしろ基礎・基本をきちんと指導してくれる易しい学校の方が伸びます。学習面だけではありません。私立はどこもこういう生徒を育てたいという方針を持ち、大変な熱意で指導に当たっています。
 「高い学費を払ってまで……」ということは、公立と比べてということでしょうが、是非30台、40台の私立学校をたくさん見て歩いてください。説明会を聞きに行った、見学した、その上でも公立と比べていいところが見つからない、わからないということなら、公立に進まれた方がいいでしょう。
 学校を実際に見ないで、「偏差値が低いところはやめる」ということだけはしないようにしてください。
 


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