もうこの時期、「過去問」に取り掛からなければいけないのに、なかなか手がつきません。どのように進めたらいいのでしょう?
  安田先生のアドバイス


 「第一志望校の『過去問』はもう5年分やった」「いまは受験勉強はもっぱら『過去問』に充てている」……なんて話を耳にすると、「うちも早く取り掛からなければ」とあせります。ですが、これはお子さんの状況しだいです。小3、小4から塾通いをしていて、受験範囲をひととおり勉強し終え、総復習に入っているなら「過去問」にかかってもいいでしょうが、小6から受験勉強を始めてまだ全範囲の総まとめが終わっていない、不得意の克服も終わっていない段階でしたら「過去問」は12月からでもかまいません。全範囲の勉強が終わっていないうちに「過去問」に挑戦すると、全く歯が立たず、自信を失って受験そのものをしたくなくなったり、志望校を変えたくなったりするからです。
 「過去問」は時間が空いたときにやろうとしてもなかなかできるものではありません。塾のない平日、日曜日、あるいは学校行事の振替日といった時間を取れるときに、計画を立てて進めるといいでしょう。例えば、縦軸に学校名、横軸に年度・教科欄を設けた表を作り、終わったものから塗りつぶしていくと、目に見える形で達成感が味わえるので効果的です。
 どういう順番にやるかですが、多くの人が第一志望校→第二志望校→第三志望校の順にやりますが、むしろ問題が易しい学校から始めた方がいいでしょう。第一志望校が一番問題が難しいなら後回しにします。ただやる年数分を、第一志望校は3年分、第二志望校は2年分という具合に優先順位をつけます(もちろん時間があるようなら第二志望校以下も3年分やりたいところです)。
 1月入試などで、最初の受験校が試し受験であったりすると、ろくに準備しないで受けることになりがちです。そうして最初の学校に落ちたりすると、試し受験でも本人は大変なショックを受け、それが後を引いてその後軒並みダメになるなんてことがよくあります。仮に志望順位が低くても、最初の受験校はしっかり準備をして臨むようにしてください。
 


CLOSE