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9月1日/ハイレベル問題
【ギブアップ用解説】

(1)
まず、互いに素とはどういうことか考えてみましょう。
互いに素というのは、1以外に公約数を持たないということなので、例えば、3と7、5と8、9と16、14と15、といった例が考えられます。
それでは、次に、互いに素の数の最小公倍数について考えてみましょう。
上の例の数の最小公倍数について考えると、3と7の最小公倍数は21、5と8の最小公倍数は40、9と16の最小公倍数は144、14と15の最小公倍数は210、と1以外の公約数がないために最小公倍数はそれぞれの数をかけたものになることが分かりますね。
なので、c=a×bとなります。
したがって、c×9=a×b×9=a×(b×9)
となるので、1からc×9までのc×9個の整数の中に、aの倍数はb×9個あり、b×10個はありません。すると、165がb×9以上b×10未満とわかるので、bは、165÷10=16.5より大きく、165÷9=18.3…以下、であることがわかります。
よって、bは17または18です。

(2)
(1)と同じように考えて、1からc×9までのc×9個の整数の中に、bの倍数は9個あって、10個はありません。したがって、
126は9×a以上10×a未満であることがわかります。すると、
126÷10=12.6より大きく、126÷9=14以下より、aは13または14です。
よって、(1)とこのことから、a,bの組み合わせとして、(13,17)(13,18)(14,17)(14,18)が考えられますが、aとbは互いに素なので、(14,18)は2を最大公約数に持ち、ダメです。
また、nの範囲について考えると、n個の整数の中にaの倍数は165個、bの倍数は126個あるので、
a=13のとき、nは13×165=2145以上、13×166=2158未満
a=14のとき、nは14×165=2310以上、14×166=2324未満
b=17のとき、nは17×126=2142以上、17×127=2159未満
b=18のとき、nは18×126=2268以上、18×127=2286未満
となります。
このことをまとめると、
(13,17)のとき、nは2145以上、2158未満となり、
(13,18)のときは、nの値がないので、ダメとなり、
(14,17)のときも、nの値がないので、ダメとなります。
よって、答えはa=13、b=17
nの最も小さい値は2145、nの最も大きな値は2157となります。


学習のポイント
今回のポイントは、まず互いに素であるものの最小公倍数はそれらの数の積であることに気付くことです。
また、互いに素という言葉を知っていれば、高校生になってからトクをするので、今のうちに覚えておきましょう。
そして、(2)で、例えば、aが13、bが17の場合について、それぞれにおけるnの範囲が重なるところが、nが本当にある範囲であることに注意しましょう。
この考え方は苦手な人が多いので、今のうちにしっかりと身につけて、まわりと差をつけましょう。

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