■協力:東京出版 http://www.tokyo-s.jp/
毎月1日・11日・21日に問題解答を更新

1月11日/ハイレベル問題
【ギブアップ用解説】
(1)
四面体の体積の求め方は、底面積×高さ× 1
1px_999.gif
3
であることは覚えているでしょうか。
つまり、比べる四面体の底面積と高さの比が分かれば、体積の比が計算できるということです。
では、この問題の場合どこを底面とすれば良いのか考えましょう。
三角形BCDは三角形QRSの内側にあります。なので、四面体PQRSの底面を三角形QRS、正四面体の底面を三角形BCDとしましょう。
すると、高さの比は、PC:AC=2:1となります。
また、QB=BD,RC=BC,SD=CDなので、底面積の比は図の様になります

chart5.gif

よって、図から底面積の比は7:1とわかります。
高さの比が2:1であることに注意して、体積比は7×2:1=14:1となります。

答えは、14倍

(2)
(ア)
まずは、(1)と同じように、底面積と高さの比が分かれば、体積の比を求めることが出来ます。
四面体B−PTVについてですが、これは底面を三角形PBTとすれば比べやすいです。

chart6.gif

TB=ABなので、三角形PBTと三角形PBAの面積は等しくなります。
また、PA=ACなので、三角形PBAと三角形ABCの面積も等しくなります。
つまり、三角形PBTと三角形ABCの面積は等しくなります。
また、高さの比はVB:DB=2:1となります。
よって、体積比は2×1:1×1=2:1となり、四面体B−PTVの体積は正四面体ABCの2倍となります。
次に、四面体B−TUVについてですが、これは三角形BUVを底面とみなせば考えやすいです。
UC=CD,VD=BDなので面積の比は図のようになります。

chart7.gif

よって、三角形BUVと三角形BCDの面積比は4:1となります。
また、高さの比はTB:AB=1:1です。
よって、体積比は4×1:1×1=4:1となり、四面体B−TUVの体積は正四面体ABCの4倍になります。

答え、四面体B−PTV 2倍   四面体B−TUV 4倍

(イ)
四面体PTUVは、四面体B−TUV、四面体B−PTV、四面体B−PTU,四面体B−PUVがあわさった四面体です。
なので、まだ体積比が分かっていない四面体B−PTU,四面体B−PUVの正四面体ABCとの体積比が分かれば答えを求められます。
四面B−PTUについて、三角形PBTとすれば考えやすいです。
(ア) の図から、三角形PBTと三角形ABCの面積比は1:1です。
また、高さの比はUC:DC=1:1となります。
よって体積比は1×1:1×1=1:1となり、四面体B−PTUの体積は正四面体ABCと同じです。

そして、四面体B−PUVについて、底面を三角形BUVとすれば考えやすいです。
(ア)の図から、三角形BUVと三角形BCDの面積比は4:1です。
また、高さの比はPC:AC=2:1となります。
よって体積比は4×2:1×1=8:1となり、四面体B−PTUの体積は正四面体ABCの8倍となります。

ここで、四面体PTUVの体積=四面体B−PTV+四面体B−TUV+四面体B−PTU+四面体B−PUVです。
よって、四面体PTUVの体積は正四面体ABCの2+4+1+8=15倍となります。

答え、15倍

学習のポイント
今回の問題のポイントは四面体の体積が底面積と高さに比例するということです。
四面体の体積は底面積×高さ÷3なので、底面積が2倍3倍と増えれば、体積も2倍3倍となっていきます。高さに対しても同じです。
そして、もう一つの大事なポイントは、四面体には4つの面がありますが、そのうち1つどの面を底面としても計算が出来ることです。なので、今回のように工夫次第で簡単に計算が出来るようになります。
また、今回の底面積の比の計算は基本的なものなので、間違えた人はしっかりと復習して下さい。

ギブアップ・ウィンドウを閉じる