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12月21日/ハイレベル問題
【ギブアップ用解説】
(1)
図形の問題では、補助線を引くと分かり易くなることが多いです。
特に、この様な問題の場合、図のように補助線を引くと解ける場合が多いです。
また、下図のように点Xを通る各辺に平行な線を引き、交差に記号をつけると、
AB=FB+HF+AH…………<3>
であることがわかります。

chart2.gif

ここで、四角形FBDXとAHXEは平行四辺形ですから、FB=XD、AH=EXより、<3>は、
AB=XD+EX+HF=a+EX+HF
となります。さらに、
三角形EXGとABCは相似形で、
EX:XG=AB:BCより、
EX=XG× AB
1px_999.gif
BC
=a× AB
1px_999.gif
BC
三角形HFXとABCは相似形で、
HF:HX=AB:ACより、
HF=HX× AB
1px_999.gif
AC
=c× AB
1px_999.gif
CA
以上から、AB=a+b× AB
1px_999.gif
BC
+c× AB
1px_999.gif
CA
…………<4>
とわかります。いま、a=12、b=54、c=6なので、
答えは、AB=12+54× AB
1px_999.gif
BC
+c× AB
1px_999.gif
CA
…………<5>

(2)
(1)で計算した<4>の式は、a,b,cの数値が変わっても用いることが出来ます。
<2>の条件のときは、a=20、b=18、c=30なので、<4>の式にそれぞれを入れると、
AB=20+18× AB
1px_999.gif
BC
+30× AB
1px_999.gif
CA
…………<6>
が得られます。ここで、AB=80cmなので、<5>、<6>はそれぞれ、
54× AB
1px_999.gif
BC
+6× AB
1px_999.gif
CA
=80−12=68…………<7>
18× AB
1px_999.gif
BC
+30× AB
1px_999.gif
CA
=80−20=60…………<8>
となります。
<7>の式を5倍すると、
270× AB
1px_999.gif
BC
+30× AB
1px_999.gif
CA
=340…………<9>
となるので、<9>−<8>から、
AB
1px_999.gif
BC
=(340−60)÷(270−18)= 10
1px_999.gif
9
また、この結果を<7>へ入れると、
AB
1px_999.gif
BC
=(68−54× 10
1px_999.gif
9
)÷6= 4
1px_999.gif
3
答えは、 AB
1px_999.gif
BC
10
1px_999.gif
9
   AB
1px_999.gif
CA
4
1px_999.gif
3

(3)
AB=80と分かっているので、これを(2)の答えに入れます。
すると、答えは、
BC=80÷ 10
1px_999.gif
9
=72(cm)、CA= 4
1px_999.gif
3
=60(cm)


学習のポイント
この問題は算数の知識だけで解けますが、算数よりもむしろ数学の問題です。
ですので、解けた人はかなり自信を持って下さい。
さて、この問題のポイントはまず、補助線を引いて利用しやすい相似の図形を作ることです。補助線の引き方は様々ですので、苦手な人は代表的な問題にたくさんあたって下さい。
そして、㈬の式はaやbの値が変化しても利用出来るということに注意して下さい。
この考え方は、実は高校に進んでからの数学で役に立つのです。
大変難しい問題でしたので、解けなくても落ち込む必要はありません。
解けた人も解けなかった人も、これからも勉強を頑張って下さい。
それでは、また来年!良いお年を!!

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