■協力:東京出版 http://www.tokyo-s.jp/
毎月1日・11日・21日に問題解答を更新

10月21日/ハイレベル問題
【ギブアップ用解説】
(1)
(ⅰ) 分からなかったら、まず図を書いてみましょう。
図を書くと次の様になります。

chart2.gif

辺AB上で、Cから最も遠い点はBですので、辺CBが360度回転して出来るのが、図の外側の大きい円になります。
そして、辺AB上で、Cから最も近い点はAですので、辺CAが360度回転して出来るのが、図の内側の小さい円となります。
よって、点Cを中心にして三角形ABCを360度回転したときに、辺ABが通過する部分は、図の網目部分になります。
網目部分の面積は、図の大きい円の面積と小さい円の面積の差となりますので、
求める面積は、25×25×3.14−20×20×3.14=(25×25−20×20)×3.14=706.5(㎠)となります。
 
(ⅱ) 三角形ABCを180度回転させると、下図の様に三角形ABCは三角形A'B'Cの位置にまで移動します。

chart3.gif

なので、辺ABが通過する部分は上図の網目部分となります。
ここで、図の太線部分と斜線部分は同じ図形なので、
網目部分の面積=網目部分の面積−太線部分の面積+斜線部分の面積
となります。
よって、求める面積は(ⅰ)の半分であることが分かります。
つまり、答えは、706.5÷2=353.25(㎠)となります。

(2)
(ⅰ) (1)と同じやり方で考えます。
辺BC上で、Aから最も遠い点はCです。
そして、辺BC上で、Aから最も近い点は、Aから辺BCに垂直に下ろした点で、その点を下図の様にHとします。

chart4.gif

また、ここで、AHの長さについて考えます。
三角形ABCの面積はAB×AC÷2ですが、BC×AH÷2とも表すことが出来ます。
つまり、AB×AC÷2=BC×AH÷2
    AB×AC=BC×AH
AH=AB×AC÷BC=15×20÷25=12(cm)となります。

また、(1)と同じ様に考えて、点Aを中心にして三角形ABCを360度回転したとき、辺BCが通過する部分は、下図の網目部分となります。

chart5.gif

よって、求める面積は、半径ACの外側の大きい円と半径AHの内側の小さい円との面積の差となるので、
求める面積は、20×20×3.14−12×12×3.14=(20×20−12×12)×3.14=803.84(㎠)となります。

 
(ⅱ) 点Aを中心にして、三角形ABCを180度回転させると、下図の三角形AB'C'の位置まで移動します。
chart6.gif

よって、辺BCが通過する面積は上図の網目部分となります。
ここで、太線部分と斜線部分の面積は同じなので、(1)と同じ様に考えて、
網目部分の面積=網目部分の面積−太線部分の面積+斜線部分の面積
となるので、求める面積は、(ⅰ)の半分+(おうぎ形ABFの面積−三角形ABFの面積)となります。
また、角度BAH=180°−角度BHA−角度ABH
       =180°−90°−角度ABH
       =180°−角度BAC−角度ABC=角度ACB=37°となります。
したがって、角度BAH=角度ACBなので、三角形ABCと三角形HBAはそれぞれの角度が等しくて相似となります。
よって、AC:AB=HA:HBつまり、20:15=12:HBとなり、
15×12=HB×20
HB=15×12÷20=9(cm)となります。
さらに、三角形AHBと三角形AHFは合同なので、
BF=BH×2=18(cm)、角度BAF=角度BAH×2=74°となり、
三角形ABFの面積=BF×AH÷2=18×12÷2=108(㎠)
おうぎ形ABFの面積=bunsu2.gif =145.225(㎠)
となります。
以上から求める面積は803.84÷2+145.225−108=439.145(㎠)となります。

学習のポイント
今回のポイントは、辺が通過する部分を図で書けること、同じ面積の部分を見つけて求める面積の形を分かりやすい形に変形することの2つです。
また、三角形が回転するときは、回転の中心となる点から、最も近い点と最も遠い点を見つけることも重要です。
今回の問題は、回転の問題の基本がおさえられているので、出来なかった人はよく復習して、似た問題も解いてみましょう。
そうすれば必ず出来る様になります。

ギブアップ・ウィンドウを閉じる