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10月21日/ハイレベル問題
【ギブアップ用解説】
(1) 日本、中国、韓国の参加人数をそれぞれJ,C,K,ファイナリストの合計人数をFとして、考えられる状況を線分図に表すと、下の図のようになります。

chart_2.gif

ここで、日本、中国、韓国の小学生が合わせて100人参加しているので、J,C,Kの合計は100、つまり、J+C+K=100となります。
そして、それぞれの場合を考えていきます。
① のとき、
J=F+8,C=F+5,K=F+7なので、
J+C+K=(F+8)+(F+5)+(F+7)=F×3+20
つまり、J+C+K=100=F×3+20
F×3=80    F=80/3

② のとき、
J=F+8,C=F+5,K=F−7なので、
J+C+K=(F+8)+(F+5)+(F−7)=F×3+6
つまり、J+C+K=100=F×3+6
F×3=94    F=94/3

③ のとき、
J=F+8,C=F−5,K=F+7なので、
J+C+K=(F+8)+(F−5)+(F+7)=F×3+10
つまり、J+C+K=100=F×3+10
F×3=90    F=30

④ のとき、
J=F+8,C=F−5,K=F−7なので、
J+C+K=(F+8)+(F−5)+(F−7)=F×3−4
つまり、J+C+K=100=F×3−4
F×3=104    F=104/3

⑤ のとき、
J=F−8,C=F+5,K=F+7なので、
J+C+K=(F−8)+(F+5)+(F+7)=F×3+4
つまり、J+C+K=100=F×3+4
F×3=96    F=32

⑥ のとき、
J=F−8,C=F−5,K=F+7なので、
J+C+K=(F−8)+(F−5)+(F+7)=F×3−6
つまり、J+C+K=100=F×3−6
F×3=106    F=106/3

⑦ のとき、
J=F−8,C=F+5,K=F−7なので、
J+C+K=(F−8)+(F+5)+(F−7)=F×3−10
つまり、J+C+K=100=F×3−10
F×3=110    F=110/3

⑧ のとき、
J=F−8,C=F−5,K=F−7なので、
J+C+K=(F−8)+(F−5)+(F−7)=F×3−20
つまり、J+C+K=100=F×3−20
F×3=120    F=40

以上の様になります。
Fはファイナリストの人数なので、整数です。
Fの数が整数となっているのは、③のときの30人、⑤のときの32人、
⑨ のときの40人の3通りです。
よって、答えは、30人、32人、40人。

(2) ファイナリストが一番多い国のファイナリストの人数をX,二番目に多い国のファイナリストの人数をY,一番少ない国のファイナリストの人数をZとします。
問題文の条件を図に表すと、下の図の様になる。

chart_3.gif

図より、X=Z+3+2=Z+5、Y=Z+3となります。
よって、X+Y+Z=(Z+5)+(Z+3)+Z=Z×3+8
また、X+Y+Zはファイナリストの合計の人数です。
つまり、(1)より、
③のとき、
X+Y+Z=30=Z×3+8
Z×3=22   Z=22/3
⑤のとき、
X+Y+Z=32=Z×3+8
Z×3=24   Z=8
⑧のとき、
X+Y+Z=40=Z×3+8
Z×3=32   Z=32/3
Zは人数なので、整数。
よって、条件を満たすのは⑤のとき。
⑤の図より、一番参加者が多いのは韓国であり、その人数はF+7=32+7=39
答えは、韓国で39人。

(3) (2)のときなので、⑤のときである。
日本人の参加者はJ=F−8=32−8=24
中国人の参加者はC=F+5=32+5=37
韓国人の参加者は(2)より、     39 
また、ファイナリストの人数について、Z=8なので、
X=Z+5=8+5=13、Y=Z+3=8+3=11
つまり、ファイナリストの国別の人数は、8人、11人、13人。

ここで、決勝への進出率=ファイナリストの人数÷参加者×100なので、各国のファイナリストと参加者の人数の比が近いほど、国別の決勝への進出率の差は小さくなります。
つまり、参加者が多い国ほどファイナリストの数が多く、参加者が少ない国ほどファイナリストの数が少ないときに、決勝への進出率の差が小さくなります。
(例えば、ファイナリストの数が2人と3人で、A国の参加者が5人、B国の参加者が7人のときで、A国のファイナリストが2人、B国のファイナリストが3人のとき、A国の決勝進出率=40%、B国の決勝進出率=42.9%と差は小さいですが、A国のファイナリストが3人、B国のファイナリストが2人のとき、A国の決勝進出率=60%、B国の決勝進出率=28.6%と差は大きくなります。)
よって、ファイナリストの国別の人数が、日本が8人、中国人が11人、韓国人が13人のときが、最も決勝への進出率の差が小さいときだと考えられます。
このとき、それぞれの進出率は、
日本は、8÷24×100=33.3%
中国は、11÷37×100=29.7%
韓国は、13÷39×100=33.3%
となり、進出率の差は5%以内です。
また、これ以外のときは、計算すると、一番高い進出率と一番低い進出率の差は5%以上となってしまいます。
よって答えは、
ファイナリストの人数が、日本が8人、中国人が11人、韓国人が13人。 。


学習のポイント
この問題を解くには、各国の参加者の人数をJやCなどとおいて、式を作ること、そして、考えられる様々な場合に分けて、それぞれを計算して、問題文の条件を満たす答えを求めること、これら2つのことが重要となります。 特に、難しい問題を解くときには、きちんと場合分けをすることが必要となることが多いので、場合分けはしっかりと定着させる必要があります。
場合分けが苦手な人は、とにかくしっかりと紙の上に色んな場合を書き出して、場合分けをする習慣を付けることから始めましょう。
場合分けがきちんと出来る様になれば、あなたの算数の力はかなりアップするはずです。 なので、場合分けをする習慣をきちんと付けましょう!!

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