(注:電車事故の話が出てきます。)
スキー場の中腹から、さてどう滑ろうかと考え、ちょっと上を見上げて誰も来ないことを確かめてからストックをついて私はスキーをスタートさせる。
スクールのみんなが見ているというのに、雪面の状態は悪く、人も結構いるなあ、もっと脚力がないとだめだなあ、と思ったその瞬間、黒い影が目の前を横切って私は転倒。
「うわっ!」
・・・とここでびっくりして目が覚めた。「何だ夢か・・。」と思ったところで顔をさわって、この一連の夢が夢ではなかったことを一気に思い出す。
これは今朝の話。怪我をしてから8週間も経っているのにこんな夢を見るんだ・・・と自分の弱さに気づく。私はそんなに弱くないはずなのに!
昨日安比のスキースクールに経過を知らせるために電話なんかかけたのがまずかったか?
夢で見ても「フラッシュバック」というのだろうか。これで二度目だ。
一度目はそのスキー旅行の写真を見ていたときに起こった。最終日の自分は顔半分に大きなガーゼが当たっていて記念写真でひとりだけ目立っていたのを見た時だ。
一気に気持ち悪くなってしまってその反応にびっくりした。
強い私がこれでは困る、と思ったのだが・・・。
一昨日だったか、息子が暗い顔をして帰宅してきて、「お母さん、人が死ぬところを見たことある?」なんていう。
「え?」
「さっき、山手線で飛び込み自殺を見ちゃって。」
聞けば向かいのホームの端っこに人がしゃがんでいるな、と思ったその時に電車が入線して、直前でその人がぴょんと飛び降りたその一部始終を見てしまったとのこと。
「助からなかったの?」
「うん。たぶん。」
もう無理して話さなくていいよ、と言ったのだが息子は重荷を降ろすかのように少しずつ様子を話しだした。
聞いたこちらの気も重くなったが、それを目で見てしまった本人が誰かに話さずにはいられないというなら聞かなくてはならなかった。
トラウマというのか、PTSDというのか、そういうことにならなければいいな、と思った。
人間は傷つきやすい生き物なんだろうと思う。
亡くなった人はどんな傷をおって命を絶たなくてはならなかったのか。
そして亡くなった人の残された家族もどんなにか傷ついたことだろう。
見ていた人、救助に尽力した人、運転手さん、乗っていたお客さん・・・みんな命の重さがわかるから傷ついている。
カテゴリ名: ひとりごと