昨晩夜7時15分ごろからマンション全部が断水した。
私の住んでいるマンションは、管理室で電気系統、水道、電波などは全部一括で24時間遠隔管理されており、何かのアラームが鳴ると警備会社のガードマンが駆けつけるシステムになっている。
私は食事の支度をすませて食卓におつまみやらおかずを並べ、さあ、ビールを一口、と思ったその瞬間に別の部屋の方からお電話を頂き、断水を知ったのだった。
警備会社に確認の電話をいれたところ、もうすでにひとりそちらの管理室に行っていますということだったので1階に降りてみたら、数人の住民が管理室の前に集まって「お宅もですか?」「どうしよう」と話し合っているところだった。
警備員さんに話を聞いてみたら、アラームが鳴った問題箇所の地下のポンプ室に入ったところ、配管から水が漏れていて滝のように漏水、ここから屋上に上がるべき水が足りなくなったための警報ということだった。
とりあえず警備員さんが修理の手配をして、とにかく滝のような漏水を止めるために元を閉めた結果、全戸の上水道が断水したということのようだった。
そんなことは知らない住民は混乱。どうしたらいいかわからないからとにかく情報が欲しくて1階に降りてきた、というわけ。
私は一応理事長なので、取り急ぎ住民向けに手書きで「断水のお知らせ」として現在情報を書いてエレベータ前と掲示板に貼り出した。
これがだいたい7時45分すぎ。
これからお食事という方も、これからお風呂という方も、もしかしたらシャンプーの途中という方もいらしたかもしれない。
早くも一番近いお風呂屋さんに行って、帰ってきた方と会えたので営業時間を聞いてみたら日曜の夜だからか10時までとのこと。
その場にいらした住民にはこれを告知した。
とにかく復旧の見通しというものがわからない。
しかし何人かの方からその間にも問い合わせが来るし、今後の展開によっては給水車などもいるかも知れない。
報告だけはしなくては、と管理会社の担当通称水嶋ヒロくんの携帯の留守電に経過を報告しておいて対応を待つことにして、その間に自宅用の飲み水を買いに行ったりした。(残念だがビールはお預けとなった。)
10時も過ぎてからヒロくんから電話。あちらも手を尽くしていろいろ手配をしてくれたようだった。
とにかく復旧したら夜中でもいいので電話を下さいということになった。
さて、自分のお風呂はどうしよう、と久しぶりに石原良純のようにタウンページを開いた。
「銭湯」の欄は短く、このお商売も年々数が減っているのだな、と思った。
近所のどこにお風呂屋さんがあるかはなんとなくわかったが、よく前を通るその銭湯が「亀の湯」なのか「富士の湯」なのか「星の湯」なのか悲しいことに私は知らなかった。気にして見たことがなかったのだ。
そしてタウンページにあるあちこちのお風呂屋さんの住所も、○丁目、というのがどのへんなのかも実はわからなかった。自分の住所のまわりを離れると、どこが何丁目なのか、街が全く分からないというのはマンションの住民独特なものかもしれないな、と思った。
載っていたお風呂屋さん数軒に電話したところ、1軒11時までやっているというところがあったので、そこに出かけた。
お銭湯に入るのは何年ぶりだろう。結婚した頃に住んでいた高円寺で、自宅のお風呂があまりに狭くて行ったことがあったような。フォークの名曲『神田川』みたいだったなあ。
電話で聞いたら代金は450円ということだった。これは昔の倍くらいかな。
電話で店主のおじさんが、これから来るんじゃ忙しいね、11時までだけど、11時15分くらいまでに出てくればいいよ、と言って下さった。2キロ離れていたので車で行ってしまった。(近場はみんな10時までだった。)
そんなこんなで帰宅して録画の龍馬を見て寝たら水嶋ヒロくんから電話。一応応急処置で復旧したそうである。
この電話が1時45分。
感心なことに彼は横浜の自宅から会社に向かう途中だそうで、問い合わせの件数や事態の重大さから見て、経過を掲示した方がいいと判断、これから会社で文書を作成するという。
こんな真夜中に!
朝、6時過ぎにゴミ捨てに行ったら掲示板とエレベータ内に綺麗でわかりやすい経過報告が貼り出されていた。
もしかして彼はこれを3時とか4時とかに貼りにきたのだ。
こういう責任感ってすごいなあ。
ポストから新聞を取ろうとしたらお礼状が入っていた。「私に?」
私は何もしていないけど、これを深夜に作ってくれた彼に大感謝するとともに若いのに、と感心した。
マンション始まって以来の大事件。でもとりあえず朝までに解決してよかった。
深夜まで修理を頑張ってくれた業者さんや警備会社や管理会社や、たいして文句も言わずにいて下さった住民の皆さんに大感謝。
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