東銀座にある歌舞伎座は今年の4月をもって取り壊しとなる。
昭和26年に建てられたという美しい建物はひとまずお役御免となるわけだ。
ほぼ一年にわたって行われてきたさよなら公演もあとふた月ほど。
歌舞伎なんて普段は関係なく過ごしている人が多いのが事実だが、歌舞伎発祥の言葉というのは実は日本語の慣用句としてかなり定着している。
荒事(あらごと)と呼ばれる天下無敵のスーパーヒーローが敵をなぎ倒す、みたいな演目がある。
(主なものに「暫(しばらく)」とか「菅原伝授手習鑑・車引(すがわらでんじゅてならいかがみ・くるまびき)」などがある。有名なのは「勧進帳(かんじんちょう)」かな。)
この中から江戸時代後期に七代目市川團十郎が18演目を選んで「歌舞伎十八番」とした。
カラオケの「十八番」などという使い方をするのはここからきている。
三行半(みくだりはん)・・・結婚の誓いをたてた誓約書が七行。それを半分にちぎる意味で三行半。
大向うをうならせる・・・三階席とその向こうの一幕見席のこと。料金が安いため何度でも見るような常連が多い。ここの席の人をうならせるような立派な芸。ちなみに「成駒屋!(中村歌右衛門)」とか「成田屋!(市川團十郎)」とか役者の屋号をセリフの間合いにかけているのはほとんどここの席の常連のおじさん。
初めて歌舞伎を見たのは19歳の時。演目は「傾城事(けいせいごと)」と呼ばれる遊女の話だった。「傾城濱真砂(けいせいはまのまさご)」というタイトルだったと思う。←漢字が間違っていたらごめんなさい。(傾城というのは城が傾くという意味。遊女に入れあげるとお城が傾くというわけ。ひいては遊女そのものを指す。)
それから市川猿之助(屋号:澤瀉屋・おもだかや)のスーパー歌舞伎なども見に行った。
ここ何年も見に行ってないなあ。忘れていたけどもうすぐ取り壊し。今のうちに見に行かなくちゃ。当日売りの一幕見席でもいいかな。
MOONさんは宝塚にお詳しいんですよね。そちらも興味深いです。
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