さて、ちょっと、気づいたことがあります。
私は“夢ゼミ”という中学受験生をお持ちのお母さん対象のセミナーをしています。
そこでは、家庭学習の工夫や子どもとのコミュニケーションの取り方などで私自身が日々実践してきてわかったこと、気づいたこと、いいと思ったことをシェアし合っています。
私の好きなことは、何かに向かいたい人、何かを伸ばした人のお手伝いをすることです。
私の実践してきた創意工夫の術を、私はこんなことをして、こうなったけど、あなたもやってみませんかとご提案するのが好きなのです。
幼児教育をわが子にやっていた頃、気づいたことがありました。
どんなにいいことでも、親や子どもが、本気で好きだったり、本気で楽しんでいないことには、子どもの心には響かないということです。
と言うことは、いくら私がこれが良かったですよ、これが有効でしたよとお伝えして、役立たせていただきたいと思っても、大人や親が好きで楽しんでやっていなければ、せっかく実践していただいても良い影響を及ぼさずに終わることが起こってくるということです。
「やらなければならない」でやっても効果は薄い。
じゃあ、何が子どもに響くのか?
お母さんが本当に心から好きで楽しんでやっている姿こそが、子どもの心に響くのです。
ということは、子どもが中学受験に打ち込むように、お母さんも自分の打ち込めるものを持てばいいということになります。
その姿を見せるだけでいいということ。
たまたま私は子どものお勉強に役立つようなことに興味があるから、即子ども達に生かせているだけで、そうではないケースのほうが多いと思います。
たとえば、お母さんが手芸好きだったり、お料理が好きだったり、音楽が好きだったりなど。
音楽だったら、自然と絶対音感をつけてやることができたりするんでしょうね。
でも、きっと、それでいいんだと思います。
受験の役に立たなくても。
自分を楽しんでいる大人、自分を生きている大人の姿こそが、子どもの心に響き、図らずも子どもをも動かす原動力を生むように思うのです。
先月の算数がテーマの時の夢ゼミでは、私の上司で算数が専門の先生や、飛び入りでお越しくださった「16歳の教科書」の鍵本聡先生が、あんなにもイキイキと嬉しそうに楽しそうに、算数のお話をしていらっしゃる姿に、私達大人も惹かれるものがありました。
それで算数がわかるようになるわけではないけれど、算数って数学って、こんなにもおもしろいんだよと、この人達は楽しんでるんだっていうことは充分に伝わりました。
今月の国語のシンポジウムで真剣に語り合う、塾の現場の国語科のO先生、Y先生の姿に、「国語って、奥が深いなぁ~」と心に沁みたとアンケートに書いてくださったお母さんがどれほど多かったことか。
こんなふうに、真剣に楽しんで好きで取り組んでいる大人の姿こそが、子どものモチベーションも上げるのでしょうね。
カテゴリ名: 中学受験