仕事の関係で、国語の読解力について、シンポジウムをしました。
小さな規模のものですが、中学受験生をお持ちのお母様方には、多少なりとも参考にしていただけるかと思い、少し書いてみます。
シンポジウムのテーマは、
・読解力がない
・長文が読めない、時間が足りない
・記述式の解答が書けない
この3点でした。
これらは事前アンケートに最も多く書かれていた、お母様方のお悩みです。
まず、読解力について。
読める。
解ける
読めない。
解けない。
これらは何を意味しているのでしょうか?
お母様方は、一言で、「うちの子、読解力がないんです」
とおっしゃいますが、その中には、何を含んでいるのかをあぶり出したいと思います。
語彙を知らなくて、文章の意味をとれず、読めないのか?
語彙は知っているけど、文章全体の構成に気づいていないから、大切な場所を見つけられないのか?
語彙は知らないけど、文章全体の構成はつかめているから、大切な場所がわかるのか?
語彙も知らないし、文章全体の構成もつかめていないから、ちんぷんかんぷんなのか?
この分析ができて、これらのどこでつまずいているのかを発見できれば、子どもへのアプローチの仕方がわかってきます。
語彙を増やす工夫をしましょうとか、文章全体の流れをつかむために、接続語をチェックする習慣をつけましょうなどというように。
このことを踏まえて、一度、お子さんの現状を見つめなおす機会を作ってみてください。
お子さんが国語の力をつける手助けとなれば、うれしいです。
発見するために気をつけたいことは、勉強を教えるスタンスで子どもに挑んでいかないことです(笑)。
通常の会話のようなふりをして、言葉の意味を聞いてみて、知らなかったら教えてあげたり、文章の流れをつかんでいるか見るために「何について書いてあったの?」「どんな順番で書いてあったの?」と聞いてみてください。
決して詰問口調にならないように。
私も落ちかけた落とし穴、勉強を嫌いにさせてはなんにもならないということを肝に銘じて(笑)。
そして、長文を読みきれないお子さんについては、文章全体の構図がつかめていないことが考えられます。
形式段落で文章を分け、接続語に注目して文章の流れをキャッチし、重要な個所を見つけること、これを意識してみられてはいかがでしょうか。
最後に、記述式が書けないお子さんに対してです。
日常生活の中でも、Yes・Noだけでは答えられない質問をするようお母様が意識してみたり、1つの出来事に対して、お子さんに質問を重ねて、お子さんの中にある材料を引き出す練習も、文章を書くという行為の下支えになるように思います。
テストにおいては、答えを作る材料のある個所を発見できているのか、そして、その個所を設問の条件に合わせて、言葉を並べ替えたり、減らしたりしながら、要約できているのかを見てやります。
こう書き出してみると、一口に記述式と言っても、たくさんの段階があるということがわかっていただけるかと思います。
その、どこができないから、書けないのか、答が白紙なのかを細かく見ていく作業が、本当は必要なのです。
アァ、小難しいことを書いてしまいました。
ご参考まで。
カテゴリ名: 国語