物想う時、アイロンがけをすることにしている。ただ黙々と。
今朝早くから、洗ったまま貯めてしまってあった和服の足袋のいくつかにアイロンを当てながら、最近晴れ着を着た娘のことを思った。
足袋のこはぜの留め方がわからなかったのだ。正確に言うと「こはぜ」という単語を彼女は知らなかった。
浴衣は足袋を履かないから、七五三以来の足袋だったことに気づく。
私の母は着付の先生で看板を持っている。
和服は馴染み深いもののはずなのに、いつも着せてもらっていたから私自身は一人で着物を着られないまま嫁に来て、現在に至っている。今になってあわてて練習しているというわけ。
それでも多分よそよりは和服が飛び交っているはずなのに、娘に「こはぜ」を教えていなかったとは…伝統を途切らせるのは簡単なものだな、と思った。
アイロンをかけながら、ちょっと凹んだ気持ちも伸ばしてしゃっきりさせた。
やることっていっぱいあるなぁ。
カテゴリ名: ひとりごと