毎週月曜日の放課後には、「サイエンス・ラボラトリー」(実験授業)が開催され、1年から3年までの希望者が参加している。見学したのは「黒色火薬の作り方」。
机の上に置いた金属の破片やクイズなどで火薬への興味をもたせ、火薬の作り方に入っていく。
実験は、試験管の底の火薬を熱し、栓となっているコルクを飛ばすもの。
試験管の打ち出し角度や火薬の量など、多方面から考えさせる内容で、生徒の好奇心・探究心を引き出している。
入試で「理科実験入試」をやっていることもあり、希望者がある程度いるとは思っていたが、1年生の7割もが参加していることにまずビックリした。
図書室には、蔵書が2万5千冊。図書委員がテーマを決めてお勧め本を紹介するコーナー、ワールドカップなどそのときどきの話題を取り上げたコーナー、学校行事「芸術鑑賞」で見た舞台に関する本のコーナー、生徒の読書感想「新書紹介カード」を掲示しているコーナーなど、あちこちにさまざまな紹介コーナーが……。
学校では、創造力や決断力、対話力など「14の力」を伸ばすことを目標に置いているが、それぞれの力に関連する本を並べた棚もあった。そこにはマーケティング、コーチングの本までも。学校の教育方針と図書室の構成が一致しているのが、とりわけ印象に残った。
空調の効いた教室で源氏ボタルと平家ボタルを幼虫から育てている。3年の生徒たちが2年のときから携わり、長期休暇中も毎日「ホタル観察日誌」をつけている。
一定期間をおいてカワニナ(細長い巻貝)を餌として幼虫に与えるなど、手間がかかる。生き物だから死んでしまうことも。
でも、成虫になって光り出すときの感動で、それまでの苦労も飛んでしまう。
暗くなった夕方、再び研究室を訪ねたところ、大勢の保護者が見学に集まっていた。こんなところで、学校と保護者の距離の近さを発見してしまった。
調理室では、家庭科の先生から授業の説明を受けた。4・5年(高1・高2)では学期に1回「創作料理コンテスト」を行っている。
「そら豆を使って初夏を感じさせる料理」「サツマイモを使った心も体も温まる料理」など季節に応じた課題が出され、生徒たちが自分でレシピを考える。
いまの子は家の手伝いをほとんどしないと思っていたが、カロリー計算までしっかり行われている充実のレシピを見ると、これは間違いなく普段も料理しているのだろう。
総合学習の時間を使って、1年からから5年(高2)の5年間でお茶の作法を習う機会が計12回。その目的は「日本文化の美しさ」を学ぶこと。
床の間や掛け軸はもちろん、自宅に和室のない人もいるいまどきの子どもたち。
裏千家のお茶の先生から、挨拶の作法から座布団の座り方までも学ぶ。
立夏や夏至、秋分など24節気を意識して茶器や茶花(茶席に生ける花)を変えるなど、季節を意識した仕掛けもすばらしい。
取材の途中、偶然、生徒が教室を掃除している場面に出くわした。教室の床をしゃがんで丁寧に拭いている姿に、この時間が生徒にちゃんと浸透しているのだなと感心した。
1年・2年は1学期に3回の「サイエンスデー」があり(3回目は希望者対象)、今年度からはロボット講座を開講。パソコンでプログラムを組み、ロボットにサッカーなどを行わせる。
論理的思考力の育成はもちろん、ロボットそのものへの興味も増す。ロボットクラブがあり、2年以内にロボットの全国大会「Robo Cup」(ジュニア部門)へのエントリーを目指している。
こうしたチャレンジは、理科教育を重視しているからなのだろう。女子校でこうした講座、クラブが成り立つのはすごい。

小野学園が、生徒の学力を伸ばすために学習面でさまざまな工夫をしていることは知っていたが、図書室はじめそのほかの場面でこんなにいろんな仕掛けをしているとは知らなかった。 是非大勢の方に、こうした試みを知ってもらいたいと思いながら学校を後にした。


