朝日小学生新聞特別増刊号 WILLナビNext

大学で何を学ぶのか

マークシート方式は解答方法が複雑化する

 今、大学教育は、大きな変化の中にあります。教員が一方的に講義するだけの授業から、自分で課題を見つけて調査し、得られた結果をもとに仲間と議論しながら解決策をまとめ、発表するといった授業へと、急速に変わりつつあるからです。こうした能動的な学びのスタイルは「アクティブ・ラーニング」と呼ばれ、文部科学省の調査によれば、6割以上の大学が、アクティブ・ラーニングの手法を取り入れた教育の導入を検討しています。

 そのために、学生が集まるラウンジや通路スペース、図書館などの施設を、アクティブ・ラーニングに適した設備に作り変える大学も増えています。教室だけでなく、大学の様々な場所で、能動的な学習が可能な環境に整備されつつあるのです。

 また、こうした新しい学び方に対応できる学生を受け入れるため、大学入試の仕組みも大きく変更される予定です。現在、国公立大学をはじめとして、多くの私立大学が大学入試でマークシート方式の「大学入試センター試験」を利用していますが、皆さんが受験する頃には、この試験に代わって、記述式の問題を含んだ新テストが導入される計画です。

 変わるのは、新テストだけではありません。大学は、どんな学生を入学させる方針かをあらかじめ明らかにしなければならず、その方針に合った学生を、深い思考力・表現力を問う独自試験や面接、エッセイ、高校における活動状況、各種コンクール・コンテスト・大会の成績などから、総合的に選抜するような入試になることが想定されています。

留学や海外研修などで学びの場が世界に広がる

 大学では、グローバルな学びに触れる機会が増えます。現在、日本社会全体がグローバル化しており、大学もグローバル人材の育成に力を入れているからです。英語でのコミュニケーション能力の向上には、どの大学も力を注いでいますし、異文化を理解したり、経験したりするためのグローバル教育プログラムも、各大学がそれぞれに工夫しています。

 グローバルな学びの代表ともいえるのが、海外留学や海外研修です。自分と異なる言語や、文化的背景の異なる人たちと直接触れ合うことは、それまでの自分の価値観や生き方を見直すいい機会になります。海外経験は、多様な人種や民族、考え方の人々が共に生きていくにはどうしたらいいか、真剣に考える大きなチャンスになるはずです。

 大学には、期間や目的の異なる様々な留学・海外研修プログラムが用意されています。留学先での学費負担がない「交換留学制度」のほか、日本と留学先の大学で両方の学位が取得できる「ダブル(デュアル)・ディグリー制度」、1年間留学しても4年間で卒業できる留学制度など、魅力的な留学制度を設けている大学も少なくありません。

社会とつながる学びや教養を高める学びも経験

 大学では、社会とのつながりを重視した学びの機会も数多く用意されています。企業や行政が直面する課題について、プロジェクトチームを作って解決策を考える「PBL(プロジェクト・ベースト・ラーニング)」と呼ばれる授業方式が増えていますし、地域の人たちと共に活動しながら学ぶ「サービス・ラーニング」も盛んになっています。また、企業や行政組織などで一定期間就業体験を行う「インターンシップ」も、実社会を知る上で効果的なプログラムとして、多くの大学が導入しています。

 なお、大学では自分の専門分野の科目だけでなく、哲学や宗教、政治、経済、科学、芸術など、多様な科目を学びます。幅広く学ぶ過程で、現実社会を的確に見極める力や、人間への深い洞察力などのベースとなる教養を身につけることが期待されているからです。どの分野を専門に学んだとしても、大学卒業者にはある程度の教養が求められます。ですから、大学では教養を高める学びにも力を入れているのです。

好き嫌いなく学び可能性を広げよう

 以上のような大学の学びに対応するためには、中学高校時代にどんなことを心がければいいでしょうか。

 まずは、学校で教わるすべての教科を、好き嫌いなく勉強することが大切です。小学校まで苦手だと思っていた科目が、中学校に入ってから、ちょっとしたきっかけで得意科目に変わることだってあるからです。

 また、授業だけでなく、部活動や学校行事、地域の活動やボランティアなどに積極的に参加するようにしましょう。幅広い年齢層の人たちと交流することで世の中に対する視野が広がりますし、将来の職業につながるような体験ができるかもしれません。自分の可能性を広げるためにも、中学高校時代にいろいろとチャレンジしてみてください。

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