森上先生注目!高校特集

森上先生からのメッセージ

頑張れ!! 高校受験生

 実りの秋を迎え、中学3年生の皆さんにとっては、志望校を決定する時期が近づいてきました。
 すでに、夏休みの間に、学校フェアや学校説明会などに参加した人も多いと思いますが、秋以降も、そうした場は数多く設けられています。ぜひ積極的に出かけて、自分にあった学校を探すようにしましょう。
 いま高校は、公立、私立を問わず、大きな転換期にあります。そこで、「高校入試の現状」と「受験校選びのポイント」について紹介しますから、参考にしてください。

高校入試・教育システムの現状
改革が進行する公立入試。神奈川、埼玉の一般入試の受験チャンスは1回に

 近年、首都圏の公立高校入試は改革が進行していますから、注意しておくことが必要です。まず東京の都立高校では、2014年度から、独自入試作成校が「進学指導重点校(日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立)」「進学重視型単位制高校(新宿、墨田川、国分寺)」「併設型高校(白鴎、両国、富士、大泉、武蔵)」の3つにグループ分けされました。これまでそれぞれの高校で異なる入試問題を作成していましたが、3グループに分かれて問題を共同作成することになりました。大問ごとに複数の問題を作成し、各校が選んで出題します。また、1教科につき1題まで自校で作成した問題に差し替えることができます。2014年度入試では出題傾向が読みにくい不安から受検者数を減らした学校もありましたが、次年度からはこの不安も解消され、再び受験生が増加する可能性があります。
 神奈川では、2013年度から、前期・後期に分かれていた試験が、共通選抜1回のみの入試になりました。埼玉でも、同様に、2012年度から前期・後期試験が一本化されています。両県ともに受験チャンスが1回になったわけです。そのほか、千葉では、2011年度から、特色化選抜が前期選抜、一般入試が後期選抜と名称が変更され、前期選抜でも学力検査が課されるようになっています。

授業料が全額カバーできる可能性が出てきた「就学支援金」の情報に注目

 このように、神奈川、埼玉の公立高校の一般入試では、受験チャンスが1回になっています。また、複数受験が可能な都立高校でも、2014年度は100名以上の不合格者を出した高校が48校にのぼっています。
 そうした状況に不安感を持った受験生が、私立の併願校を増やす傾向が強まっています。さらに、東京、神奈川の私立高校では、「併願推薦」が廃止になった影響で、一般入試で勝負をかけるケースが増え、全体的に一般入試の志願者数が増加しています。2014年度も、岩倉、安田学園、拓殖大学第一、青稜、駒場学園、東亜学園、八王子実践など、200名以上も志願者を増やした高校が多く見られました。
 今後はさらに私立高校の人気が高まる可能性大です。なぜなら、周知の通り、現在も、国の「高校無償化」の方針によって、公立高校と同額の授業料分は無料になっていますが、高額所得者にも支給していた分をカットすることでうく財源で、中下位所得者層を対象に、「就学支援金」を増額し私立高校の授業料相当額もカバーできるようになりました。このため中下位所得者層は経済的な理由だけで公立高校を選ぶ必要はなくなり、より幅広い学校選択が可能になりました。

受験校選びのポイント
留学制度の充実度など、教育システムの特色をよく調べよう

 高校入試は内申点と偏差値によって、ある程度自分の合格圏が見えてしまう入試です。中学入試や大学入試のような"一発逆転"の可能性は低いといえるかもしれません。だからといって「自分が合格できるのは、この高校だけだから」と、早めにあきらめて、選択肢を狭めてしまう必要はありません。むしろ合格可能な中で、どの高校を選ぶのか、とても重要なポイントになるのです。
 近年、とくに私立高校では多様な教育改革が進行しています。インターネットなどで情報を集めるとともに、学校説明会や体験入学などにも積極的に参加して、バラエティーに富んだ私立高校の教育システムをしっかりチェックした上で、受験校を選ぶようにしましょう。
 2014年春よりスーパーグローバルハイスクール事業がスタートしました。国が進める「日本再興戦略―JAPAN is BACK―」において、『グローバル化に対応した教育を行い、高校段階から世界と戦えるグローバル・リーダーを育てる』ため、文部科学省によって進められています。
 環境や資源、伝染病といった問題には、国境を越えた世界規模での取組みが必要となります。これらの問題は日本だけで解決できるものではなく、関係する他国と広い分野で協働していく必要があります。
 スーパーグローバルハイスクール(以下SGH)指定校では、「社会課題に対する関心と深い教養」「コミュニケーション能力」「問題解決力」を身につけることを目標にしています。グローバルに活躍するため英語の活用能力を高めることは重要ですが、単に英語力を向上させるだけでなく、課題研究を柱に据えた探求型学習などを通して3つの力を身につけることにつなげます。
 私がとくに注目してほしいと考えているのが、グローバル時代に対応した教育がどの程度充実しているかです。これからの社会を生きる皆さんは、海外の人々と協力して物事を進める姿勢が求められます。「使える英語」教育や、海外体験のチャンスが豊富な高校に進学すれば、それを可能にする能力が高められるはずです。東京都では、留学する生徒に支援金を支給するなど、バックアップ体制を強化しており、ぜひ若い時期に異文化を体感する機会を持ってほしいと思います。

全体的な学力を高めるとともに、過去問を活用した学習にも力を入れよう

 秋からの学習では、全体的な学力を向上させるとともに、そろそろ受験する高校の過去問にも目を通して、出題傾向・形式に沿った対策学習を進める必要があります。
 とくに重視してほしいのが英語です。それも「読む」「書く」能力だけでなく、「話す」「聞く」能力を意識的に高めるようにしましょう。首都圏の公立高校入試では、英語で必ずヒヤリングが課されるからです。
 ヒアリング力を高めるために、お勧めしたいのがNHKの『基礎英語』です。高校3年生まで継続して取り組んでいけば、どんな難関大学入試の英語でもクリアできるといわれるほど評価が高いのです。中学入学当初は利用していた人が多いと思いますが、その後、やめてしまったケースもあるでしょう。これからでもいいので、入試本番まで継続して聞くようにすれば、必ず大きな力になります。