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専門家インタビュー

経済状況悪化の影響で私立中学受験者は減少
安全志向や保守化傾向が強まり、大学付属校が人気に

私立中学の受験率が10年ぶりに減少

 一都三県における2月1日の私立中学受験者数は41,631人。公立小学校の卒業者数が2.6%増加したにも関わらず、昨年より約2%減少しており、私立中学受験の加熱ぶりは一段落といったところです。私立中学受験者数を公立小学校の卒業者数で割った受験率も14.1%と、10年ぶりに減少に転じています。ただし、国公立の一貫校を含めた受験者数は約6%増加しており、中学受験の裾野は着実に拡大しています。  私立難関校の受験者数が微減傾向だったの対して、国立難関校は逆に微増傾向にあり、中学受験にも昨年秋以降の経済状況の悪化が影響しているようです。また、今年は特に、早慶、MARCHレベルの大学付属共学校の人気が上昇しています。進路が保証される学校に入学させたいという保守的な傾向が強まったためでしょう。最近、こうした大学への進学実績の高い中堅校の、特進クラスへの併願人気が高くなっているのも、同様の意向によるものと考えられます。

「サンデーショック」で、女子校志願者にチャンスも

 今年は2月1日が日曜日で、プロテスタント系の学校が試験日を2日にずらす「サンデーショック」の年にあたりました。例年は不可能な併願が可能になるため、いくつかの難関校で志願者が急増。入学手続き率が読めず、従来より合格者数を多めに出すところも目立ちました。一方で、競合を避けて2日から1日に入試をずらした学校もありましたが、総じて受験生はそれほど集まりませんでした。また、上位の受験生がプロテスタント校などに流れたため、2日の入試実施校の多くは競争率が緩和しています。これらの学校を第一志望とする女子受験生にとって、今年は「サンデーチャンス」だったようです。

生活情報を含めた学校の情報に敏感に

 来年度も、不況とはいえ、中学受験人気がそれほど衰えることはないでしょう。多くの受験生は数年前から準備を始めるため、受験校を吟味し、絞り込むことはあっても、受験自体を断念することは少ないからです。
 志望校選択に当っては、6年間の学校生活を送る場所だということを大前提に考えて、偏差値にとらわれすぎず、校風や規則、宿題の量など、学校生活に関する情報を重視しましょう。
 入試問題に関しては、どの教科も時代の状況を反映したテーマ性を強く打ち出すようになっていますし、基礎・基本をベースに考える力を見る「良問化」の傾向も加速しています。過去の入試問題を参考にして、繰り返しトレーニングすることが重要です。
 なお、2010年度は早稲田大、中央大に付属中学が新設され、都立校では富士、大泉、南多摩、三鷹の各校が中高一貫化されます。こうした最新の動向にも目を配り、早めの受験準備をしておきましょう。


2月1日受験者・公立小卒業者数(1都3県)対前年比

2月1日私立受験者数の推移と募集定員

morigami.jpg 森上 展安氏
(株)森上教育研究所
 代表取締役
私立中高一貫校の教育に関する情報提供を中心に、主に中等教育の評論活動を行っている。