受験費用、中高6年間の学費、どのくらい用意しておけば安心でしょう?

まだ小3ですが、4年から塾に入れ、受験させて私立に進むと、卒業までにどのくらいかかるものでしょうか? わが家でも行かせられるか迷っています。
  安田先生のアドバイス
平均的には800万円くらいは必要

 中学受験を考えるとき、子どもの学力だけでなく、ご家庭の支払能力も十分考えておく必要があります。中学受験がブームになって、これまでだったら私立を受験しなかった家庭までが私立に進むようになりました。そのため、入学後に経済的な事情から途中で公立中学に転校したり、高校進学段階で公立高校に進学したりするケースが増えています。本人にはかわいそうなことなので、無理な受験をすることはお勧めできません。
 ここでは受験させて私立中高一貫校に進ませるかどうかの判断をする上での目安となる数字を挙げておきましょう。

●塾通いから受験までで約215万円!
 私立中学を受験する小学生の塾関連の費用は平均的には約200万円です。どこの塾もできるだけ大勢の生徒を集めるために低学年や4年生は月謝を安く抑えています。塾のタイプによって違いますが、4年で約40万円、5年で約60万円くらいを見込んでおけばいいでしょう。
 これなら払えそうと思っていても、学年が上がるにしたがい通塾回数・時間も増え、それにともなって月謝も上昇します。夏期講習・冬期講習の期間も長くなり、当然この講習料も上がります。6年生の夏・秋からは特別講習や志望校別特訓なども始まり、このほか塾によっては希望制の勉強合宿なども。また、6年生になると毎月のように模擬試験があり、これで志望校の合格可能性を探る必要が出てきます。ですから6年では100万円くらいを見込んでおく必要があります。受験費用は何校受験するかで違ってきますが、15万円くらい予定しておけばいいでしょう。

●私立中高一貫校6年間で約600万円!
 次に入学後ですが、私立の中高一貫校に進学すると約600万円。ただしこれは学校への納付金。このほか、①制服・バッグ類 ②クラブ活動費 ③交通費 ④修学旅行・校外授業費 ⑤寄付金 などがかかります。②は所属するクラブによって、③は利用する交通機関によって、大きく違ってきます。④は海外に行く学校が増えていますし、校外学習が多いのも私立の特徴です。⑤は任意の場合はしないでもすみます。学校案内などを見て、修学旅行の行き先、学校行事の種類などを確認しておくと、費用がかかる学校か、安めの学校か見当がつきます。
 このように納付金以外の費用が意外にかかりますので、家計的にギリギリで進ませることは考えものです。ただ、最近は「特待生制度」を充実させている私立が増えていますので、そうした学校を探す手はあります。 いずれにしても経済面でも長期計画を立てて受験に臨んでください。
 


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