お稽古事を続けながら受験したい

3年の女の子です。小さいころからピアノを習っています。一度中断すると、ブランクが大きく、元のレベルまで戻るのに苦労するので、ピアノを続けながら受験させたいのですが、どのようにしたらいいですか?
  安田先生のアドバイス
中堅校なら十分可能です

 お稽古事やスポーツを続けながらでも合格している子どもは毎年大勢います。こうした場合、どのような受験生活にするか、いくつか例を挙げてみますので、お宅にあった方法を採られてはどうでしょうか。
お稽古事と両立が可能な塾を探し、入塾する
大手塾の中にも、拘束時間がものすごく長くてとても両立が出来ない塾もあれば、塾にいる時間が短くて両立が可能な塾もあります。塾を選ぶ場合は、4年のときのことだけでなく、5年・6年の時間割も調べて、その学年になっても両立が可能か確認しておくことが大切です。また、発表会やその前の練習で時間を取られても、大手塾は融通が利きません。そうした点からいうと、個人塾のほうがフォローをしてもらいやすいでしょう。いずれにしても塾選びがポイントになります。
通信教育で準備する
両立できそうな塾がない場合、ご両親が面倒を見られる場合は、通信教育で受験準備するというやり方もあります。通信教育は、ご家庭の状況に合わせて時間を取れるときにやれるということが最大のメリットです。そうはいっても受験ですので、毎日必ず机に向かうくらいの覚悟がないと合格には届きません。通信教育の中には、「中学受験コース」がある会社があるので、そうしたものを選ぶ必要があります。ただ、通信教育はお子さんが一人でできるものではありません。ご家庭できちんとスケジュールを立て、お子さんが教材に向かうときもいつでも質問に答えられるよう、そばにいてあげるといいでしょう。もちろん提出するときも中身を確認することが必要です。ときどき公開模試を受けて、よその子と比べてわが子はどんなところが出来ているか、劣っているか発見すること、また受験ムードに身をおくことで、お子さんのモチベーションを上げるなど工夫することも必要です。
大手塾の教材を使って、自宅学習で受験する
最近、ご自身が中学受験の経験があるお父さん・お母さんの中には、大手塾の教材を手に入れて、自宅で教えるという人が増えてきました。わかってもわからなくてもどんどん先に進んでしまう大手塾と違い、わが子に合わせて理解が早いところは早く、遅いところはていねいに繰り返しやることができるので、教え方が上手ならば非常に効率よく進めることが出来ます。ただどうしても親はわが子には厳しくなりがちなので、冷静に客観的に教えられるかどうかがポイントになります。ご両親が手分けして教えられるなら、この方法でも合格は十分可能です。この場合も、通信教育の場合と同様、ときどき公開模試を受けることで、親子ともども外の刺激を味わってください。
 以上、3つほど例を挙げましたが、どれも中堅校ねらいという前提です。出題レベルの高い難関校の場合にはこれではとても物理的に間に合わないのが実情です。ただ長い目で見た場合には、お稽古事を中断してまでして偏差値数ポイント上の学校に進むよりは、得意なことを伸ばした方が「将来、身を助ける」ということがよくあるので、中断しない受験の仕方もいいと思います。
 


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