「不本意な結果」に、まだ立ち直れません

 あれだけがんばったのに、この結果かと思うと、ショックで心も体もボロボロです。子どもはふっ切れたようですが、私自身はいまだに外出もしたくないくらい、体から力が抜けてしまっています。
  安田先生のアドバイス
子どもの中学校生活にも影響

 最近の中学入試は、小3、小4から始まり、金銭的にも、労力的にも親の負担は以前とは比べものにならないくらい重くなりました。週刊誌・ビジネス誌が中学受験を特集するお陰で、父親の受験参加も増えて、今や中学受験は一家の総力戦、ビッグイベントになっています。
 それだけに、これだけ長期間頑張ったのだから、これだけお金を使ったのだから……と、期待も大きくなります。が、第一志望校にスンナリ進めるのは約3割。多くは受験勉強を始めた当初に思い描いていた学校とはレベル的にも遠い学校に入学することになるのが普通です。このことをまず知ってください。
 また、受験であるからには、一緒に勉強してきた友だちとの間で、普段の成績と受験結果とが逆転することもしばしば起こります。人生をかけて打ち込んできた末のこうした理不尽な結果。「○○くんはA中に受かったのに、うちの子はどうしてB中にしか受からなかったのか」「あれだけやったのに、こんな学校に行くことになろうとは思ってもいなかった」、四六時中こうした思いにさいなまれます。
 ショックは大きく、「近所の人に興味本位に子どもの入学先を聞かれるのが嫌だ」、「校名を言いたくない」、「わが子を入れたかった学校の制服を見たくない」……からと、あなたのように外出したくない、というお母さんが例年大勢います。あなただけではありません。
 ですが、お母さんがいつまでも引きずっていると、子どもを「こんなにもママを悲しませてしまった」と、自分が不合格だったこと以上に苦しませることになります。入学する学校にも誇りを持てず、それは入学後の友だち関係、学校生活にも尾を引き、学業にも身が入らないことにつながります。
 今回の結果は、中学受験の結果でしかありません。人生の結果ではないのです。どのような結果であっても、わが子がここまで努力してきたこと自体を褒めてあげましょう。親の評価こそが中学入学後の子どもの「原動力」になるはずです。
 お母さんの態度がお子さんのこれからの中学校生活にも影響するのです。進学する学校をこころから喜んであげようではありませんか。
 


CLOSE