口を出すと、親子のバトルになってしまいます。どのように言ったらいいでしょう?

もうすぐ6年です。勉強の進め方がヘタなので、口を出すと、つい言い合いとなってしまいます。どうしていいかわかりません。
  安田先生のアドバイス
あなたを信用しているわ

 いよいよ受験学年。お母さんとしては、お子さんがグズグズしていてなかなか勉強に取り掛からなかったり、勉強していても段取りが悪かったりすると、見ていてイライラすると思います。「早く勉強に取り掛かったら…」「○○はもう終わったの?」「○○しなくていいの?」……といったことがつい口に出てしまいます。
 お子さんの立場になって考えてみてください。自分でも「そろそろやらなくては…」「今日は○○をやろうかな…」と思っているところに、先に言われてしまったら、逆にやる気がうせてしまうのではないでしょうか。言い合いとなってしまうというのは、まさにこうした状態にあるのです。もうじき6年生です。やらなければマズイことは本人も十分わかっているのです。ただ気持ちが、勉強を始めるまでの発火点の温度までにまだ上がらない。そうした状況なのです。
 なかなか勉強に取り掛からなかったり、勉強していても段取りが悪かったりするのは、何をどうやればいいのかわかっていない、どういう順番でやればいいのか決まっていない、という可能性があります。
 受験学年になるいい機会です。これから本番まで、どういう作戦で行くか相談しようと、持ちかけてみてください。差し当たっては、夏休みまでに何を終わらせるか、1週間の各曜日に何を勉強するか、毎日の時間配分をどうするか、話し合って決めましょう。お母さんは何を協力すればいいのか。食事時間は何時にするか、風呂は何時にするか、塾のプリント類、テストの答案のファイリング等を手伝うか……これから10ヶ月間、二人三脚で受験生活を送るにあたっての基本的なことを決めます。
 お子さんがどうしてもお母さんとの話し合いに乗ってこないようなら、塾の先生に入ってもらって、受験生活の段取り、家で勉強する中身を決めましょう。
 受験学年に入って時間が限られてくると、親御さんとしてはどうしても焦りが出て、口うるさくなってしまいます。が、この時期、反抗期に入るお子さんもいます。そうしたお子さんの場合には、干渉するのではなく、「あなたを信用しているわ」「自分で考えてみなさい」と自立を促した方がうまく行くことがあります。最初はお子さんのやり方の効率の悪さが心配でしかたないでしょうが、長い目で見ると、その方がお子さんは大きく成長します。
 お子さんをご自分の思うようにしようとするのでなく、一人前として扱おうとする姿勢が、時間はかかるけれどもいい結果(「志望校合格」よりももっと大切な自分の力で生きていく「自分力」)を生むと思います。
 


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