11月になって、子どもが急に「受験したくない」「塾に行かない」……などと口にしだしました。どうしたらいいでしょう。
  安田先生のアドバイス
自信をつけさせる

 11月は受験勉強の疲れが出る時期です。模試の成績もこれまでで最低を記録、本命校への合格の可能性もほとんどない、そうしたケースがよくあります。お子さんの口から「もうやめる」「もう塾に行かない」……なんて言葉が飛び出します。
 そんなとき、お母さんはビックリして「何を言い出すの、今までの努力はどうなるの」
「バカなこと言わないでちょうだい」といったことから、挙句の果ては「今までいくらかかったと思っているの」などと動転して言ってしまいがちです。さらに頭に血が上って、「そんなこと絶対許しませんからね」ということまで口走ってしまうお母さんがいます。
 これを言ってしまうと、本人が「受験の主役は自分である」という意識が持てなくなります。それでなくても小学6年生くらいだと「お母さんのため」に受験しているという意識の子が多いくらいですから、決定的に「自分のため」と感じられなくなります。親が「許す」「許さない」は絶対言わないようにしてください。
 長い間には必ずスランプが来ます。今がその時期と思いましょう。「本番のときでなく、今でよかった」くらいに思ってください。
 お母さんが「わあ大変、受験校を変えなくちゃ」「家庭教師を探さなくては」……と浮き足立ってしまうと、お子さんはますます動揺してしまいます。初めてのお子さんだと、勝手がわからずさぞ不安だと思いますが、ここはひとつどっしり構えてください。
 これまでまがりなりにもきちんと勉強してきたのであれば心配いりません。お子さんの集中力が切れてきたということもあるでしょう。
 いずれにしても、ここまで勉強してきたのですからお子さんにはそれなりに力がついているはずです。今はそのことを信じて、お子さんを責めないこと、その姿勢が大切です。
 お子さんが「受験したくない」「塾へ行かない」といったことを言い出すのは、自信がなくなっているからです。お子さんに自信を取り戻させ、再びやる気を起こさせるために、次のことをしてはどうでしょう。お子さんが入りたがっている学校の過去問から、やさしい問題だけを選んでコピーし、それだけを並べたオリジナル問題集を作ってあげるのです。お子さんが自信を取り戻すには、やはり第一志望校の問題ができることがいちばんです。
 お子さんの心から「不安感」が消えれば、「塾へ行きたくない」といった副次的な問題も解決されるはずです。
 


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