たくさんの学校説明会に参加したのですが、どこも似たようで学校ごとの特色をよくつかめません。どんなところを見ればいいのでしょう。
  安田先生のアドバイス

 難関大学の合格者数で学校をランキングすることが多くなったように、このところ「中高一貫教育=大学への通過点」とみる風潮が強くなっています。そのため学校側も説明会では学力をつけることにどのような工夫をしているか、大学合格実績がどれだけ伸びているかといった話をすることが多くなりました。そのことが似たように感じさせる背景だと思います。
 しかし本来多くの私学は、それぞれに学校を設立した創立者の思いを受け継ぎ、また十代の子どもを育てるその学校なりのノウハウを持っているものです。授業時間数、教材、講習、進学状況といった話はもちろん大切ですが、それ以外の学校が「大切にしているもの」は何かを探してみてはどうでしょう。
 ご参考までに上げるならば、私自身は次のようなことを意識して聞くようにしています。

・生徒をきちんと見つめている学校
 生徒の日常(心と体の変化、人間関係、ウィークポイントなども)を多くの目できちんと観察し、そこから得られたことを学校生活に、教科授業に、行事にきちんと反映させている学校がいいのではないでしょうか。

・「思春期」の難しさを知っている学校
 男の子も女の子も、中高時代は精神面で「ドツボ」にはまったり、反抗期だったり、表面的な付き合いしかできなかったり、トラブルを起こしたり、6年間順調にすんなりとはいかないものです。そうしたこの年代を育てることの難しさを先生方がちゃんと知っていて、この面での経験を感じさせる学校がいいと思います。

・多彩な行事が用意されている学校
 子どもは勉強だけから将来につながる「糧」を得るわけではありません。部活で先輩の影響を受けたり、行事から興味を抱くきっかけをつかんだり、生徒会活動を通して人間関係作りのスキルを身につけたりします。勉強以外のいろんなことへの「きっかけ」の場がたくさんある学校がいいのではないでしょうか。
 この3要素は、親御さん自身がその学校の教育の中身を深く知ろうとすることでしかわかりません。学校説明会に足を運んだ時、資料の数字だけでなく、ここに挙げたようなことを感じさせる学校かどうか、しっかり見てください。
 


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