本校では週6時間、英語の授業が設けられますが、そのうち中学1年から高校2年まで、週1時間実施されるのが「プロジェクト・イン・イングリッシュ」です。ネイティブ教員が中心となり、基本的にはチームティーチング形式で行われる授業で、学年ごとにテーマを設定。たとえば中1では「中央大学附属中学校について」、中2では「小金井市について」、中3では「日本について」といった具合に、身近なところからだんだん視野を広げていきます。調べたことを英語で発表したり、英語でディスカッションしたり、英語版の学校案内や壁新聞を作ったりなど、多様な活動を通して、高校入学までに英語で考え、プレゼンテーションできる能力の養成を目標にしています。
本校の生徒たちは、伝統的に文系志向が強いという特色があります。附属中学校開校を契機として、もっと「科学技術立国・日本」を支える人材も増えてほしい。また、たとえ文系学部に進んだとしても、科学技術に無関心では政治、経済、文化、社会を深く理解することはできないのではないか、という考えに基づいて、中学3年次に開講を予定しているのが「プロジェクト・イン・サイエンス」です。具体的な内容はまだ検討中ですが、野外での自然観察や、屋上に設置された環境測定システムを活用した調査・実験などを通して、自然科学への興味・関心を高めていく予定です。中央大学理工学部と連携して、最先端技術に触れる機会を提供することも構想しています。
近年、食に対する関心が高まっていますが、それとは裏腹に、朝食を食べない子どもが増えるなど、様々な課題も生じています。そこで、生徒の食への関心を図るために、本校では「食育」に力を注ぎます。週1回、4時限目(11時45分~12時35分)に、クラス全員の生徒と担任教員がランチを共にする「スクール・ランチ」を導入。地域の農作物生産者、管理栄養士などをゲストに招き、地産地消、アレルギー、栄養バランスなど、食に関する様々なテーマについて一緒に考える機会も用意します。また、食に関する問題は、保護者の理解も不可欠になることから、朝食の大切さなどに関する情報交換会を行うなど、一体となって「食育」に取り組みたいと考えています。
- ──2010年度入試の概要からお聞かせください。
- 2月1日、4日の2回に分けて試験を実施します。いずれも国語、算数、理科、社会の4教科型で、面接は課しません。
- ──開校初年度のため、過去問に頼ることができず、出題傾向が気になっている受験生もいると思われます。入試問題作成の方針を教えてください。
- 全教科で模擬問題を作成し、5月の学校説明会のときから配布しています。ホームページでも公開しています。この模擬問題を見てもらえば、ある程度の出題傾向は把握できるはずですから、参考にしてほしいと思います。
全体的な方針としては、数学、理科、社会については、特定の分野に偏らず、すべての分野から出題するように心がけています。本校は、中学、高校時代には、幅広い視野を養うことが最も大切だと考えており、すべての科目にきちんと取り組む「全科目主義」を貫いています。その理念が出題傾向にも反映されるわけです。
また、国語では、とくに読解力を重視します。かなり長めの文章を出題することになるでしょう。設問は選択形式が主体で、記述形式はそれほど多くありませんが、設問の文章自体が長めになっていますから、読みこなす力が求められます。
- ──対策としては、どのような学習が有効になるでしょうか。
- やはり、理科なら物理、化学、生物、地学、社会なら歴史、地理、政経、算数なら図形、文章題、計算問題と、すべての分野について基礎固めをしておくことが重要です。苦手な分野をきちんと勉強する姿勢が要求されるでしょうね。また、社会では、いわゆる時事問題も相応のウエートを占めますから、日頃から新聞やテレビのニュースなどで、世の中の動きに敏感になっておくことも大切です。
- ──模擬問題を見ると、標準レベルの問題が中心になっているようですが。
- 確かに、先ほど模擬問題が参考になると申し上げましたが、実際の入試問題は若干、模擬問題よりも応用的、発展的な問題が増えると考えてください。というのも、学校説明会などの来場者数などを見ると、予想していたよりも多くの受験者が集まることが想定されます。合否判定の際に、得点差がつかない可能性があるため、問題の難易度を調整することを検討しており、若干問題レベルが上がっても対応できるようにしておいてほしいと思います。もちろん、極端な難問・奇問を出題することはありません。
- ──最後に、入学者に対して期待されることをお聞かせください。
- 小学校で学ぶ基礎的な事項はきちんと習得し、学校生活・日常生活に必要なマナーを身につけている生徒、そして、何事にも興味・関心がある知的好奇心の強い生徒の入学を望んでいます。本校は、教員スタッフ、施設・設備、中央大学のリソースの活用など、あらゆる面において、学ぶ環境が整えられており、入学した生徒たちの興味・関心を伸ばすことができると自負しています。